エディオンは8月26日、国内初となるGoogle TV搭載のチューナーレステレビの販売を開始した。50V型の「50P63E」の価格は5万9800円、43V型の「43P63E」は4万9800円。

6月実施のクラファンを製品開発に反映

　エディオンのチューナーレステレビは、エディオンとTCLが共同開発したオリジナル商品「イーアングル セレクト（「e angle Select）」として、エディオングループ全店とネット通販「エディオンネットショップ」で販売する。

　テレビ放送を視聴するために必要なチューナーを搭載しないためアンテナ接続が不要。インターネット配信動画の視聴やゲームを楽しむことなどに特化した。
 
　エディオンでは6月にクラウドファンディングのMakuakeで、オリジナルの43型チューナーレステレビのプロジェクトを実施。発売前に顧客の意見を幅広く集め、今後の製品開発に反映させることを狙っていた。今回は、43型モデルに、新しく50V型モデルを加えた形になる。

　リモコンには「Googleアシストボタン」を搭載。リモコンのボタンを押して話しかけるだけで、見たい映像を簡単に検索できる。見たいネット動画に直接アクセスできる「ネット動画ボタン」も搭載している。
 
　HDMI端子を3ポート搭載するため、テレワークのPCモニター、ゲームモニターとしても活用できる。また、映像遅延時間が短縮されるゲームモード搭載するほか、圧倒的なコントラストを実現するDolby Visonや3次元のリアルな立体音響を実現するDolby Atmosに対応する。

　解像度は4K UHD（3840×2160）で、バックライトは直下式LED。本体サイズは、50P63EがW1112×H689×D257mm、43P63EがW957×H610×D185mm。

“チューナレステレビ”の市場が拡大

　テレビは本来、テレビ放送を受信するためのチューナーを搭載したものを差すが、2019年12月にドン・キホーテがあえてチューナーを外した、2万円を切る32型の「チューナーレス液晶テレビ」をPBの「情熱価格」から発売して話題に。その後も21年12月に24型、42型を発売するなどライアンアップを拡充した。

　ほかにも、STAYERの「4K対応 43V型チューナーレス スマートテレビ」やソニーの業務用BZ30J/BZシリーズ、Googleの「Chromecast with Google TV」、SmartTVの「43V型4Kスマートテレビ」など、流通やメーカーを問わずにチューナーレステレビが続々と市場に投入されている。

　背景には、Amazon Prime Video、YouTube、ABEMAなどネット配信動画をスマートフォンやタブレット端末で視聴するユーザー層の拡大がある。NHKのNHKプラスや民法のTVerでオンラインでのリアルタイム配信や見逃し配信サービスがスタートするなど、テレビ局もネット配信動画ユーザーへの意識を高めている。まさに、そうしたタイミングとニーズを見定めた商品が、エディオンから発売されたことになる。（BCN・細田 立圭志）