リアルタイム視聴可能になったTVer、特徴と注意点

 スマホやタブレット、パソコンやAndroid TVで利用可能なTVerアプリが2022年4月1日にリニューアルされ、待望のリアルタイム視聴が可能となった。このリニューアルを踏まえ、改めてTVerの使い方を解説しよう。特徴を把握した上でTVerを使えば、テレビ番組の視聴をより便利にすることができる。
 

テレビ番組を視聴できるアプリ「TVer」(画像はホームページより)

TVerは幅広い機器で利用可能

 これまでテレビ番組を見るにはテレビあるいはチューナー内蔵のスマホやガラケーが必要だったが、TVerはインターネット回線を利用してテレビ番組を配信するため、利用可能な機器が多い点が特徴だ。

 WindowsやMacといったパソコン、iPhone/iPadAndroidスマホ/タブレットAmazon Fire TVやGoogle Chromecastといったスティック型端末、そしてテレビでも利用できる機種がある。2021年9月の調査では日本人の86.9%がスマホを持っているとされており、すでに多くの人がTVerを利用できる環境にあるのだ。
 
リアルタイム視聴が可能になったTVer(画像はホームページより)

リニューアルでリアルタイム視聴が可能に

 2022年4月のリニューアルの目玉は、リアルタイム視聴への対応だ。従来のTVerは過去に放送されたコンテンツの見逃し配信のみをおこなっており、テレビ放送のほうが番組を早く視聴することができた。

 しかしながら、リニューアルにしたがって地上波放送の同時配信がおこなわれるようになり、テレビ番組を放送とほぼ同時に視聴できるように。リアルタイム配信中の番組を最初から見る「追っかけ再生」にも対応している。ドラマなどをできるだけ早く見たいと考えている人には朗報だ。

TVer IDを使えばデバイス間で視聴状況やマイページを同期可能

 リニューアルと同時に「TVer ID」と呼ばれるサービスが用意された。TVer IDにアカウントを作成すると、そのアカウントを使ってログインした端末間で情報が同期される。これによりテレビ番組の再生終了位置やお気に入り番組リストなどがログインしたすべての端末で共有され、シームレスにテレビ番組を楽しむことができる。

 帰宅中にスマホで見ていた番組の続きを、帰宅後は、より大画面のパソコンやタブレットで手軽に見られるようになるため、忙しい人にとってありがたい機能といえるだろう。

現状はNHKの受信契約の対象ではない

 自宅にテレビを持っていない人がTVerを使う上で気になるのは、NHKの受信契約が必要かどうかだろう。NHKは公式サイトで「「TVer」経由でのNHK放送番組の視聴は、受信契約の対象ではありません。」としており、現状はTVerでテレビ番組を見る分にはNHKの受信料を支払う必要がない。

 ただし、NHKはこれまで提供していなかったAndroid TV向けの視聴アプリを提供するなどインターネット上でのコンテンツ視聴に力を入れており、将来的にこの文言が変更される可能性がないとはいえない。

TVerを使う際の注意点

 チューナーが必要なく、インターネットにつながっていればテレビ番組が見られるということで便利なTVerだが、利用には注意点がいくつかある。

すべての番組が見られるわけではない

 TVerでは放送されたすべての番組が提供されているわけではなく、一部の番組は見ることができない。それぞれの放送局独自のサイトで提供されていたり、有料サイトでしか試聴できなかったりする場合もあるので注意してほしい。

画質は放送よりも……

 TVerでの視聴は放送よりも画質が落ちてしまう。解像度などについては明らかにされていないが、快適に視聴できる通信速度は3Mbpsとされている。地デジ放送は通信速度に換算すると約16Mbpsといわれており、これに比べてかなり情報量が少ないのがわかるだろう。

 参考までにYouTubeでは1080p(Full HD解像度、プログレッシブ)で5Mbps、720p(HD解像度、プログレッシブ)で2.5Mbpsの通信速度が推奨されており、TVerも720p程度の画質と考えられる。

利用料は無料もギガの消費には注意

 TVerの利用は無料だが、通信にかかる費用はユーザーが負担する必要がある。発生する通信量はパソコン、スマホ、タブレットでは30分で平均400MB程度とされており、1日に1時間視聴すると30日で約24GBのギガを消費する計算だ。

 特にデータ量に応じた従量制のスマホ料金プランを契約している場合は注意してほしい。また、“ギガ”が足りなくなって通信速度に制限がかかるとTVerが快適に見られなくなる可能性が高い。

番組のダウンロード再生はできない

 TVerはインターネットからのストリーミングで動画を再生するアプリであり、現状はコンテンツをダウンロードしてオフライン再生することはできない。このため、インターネット通信ができない場所での利用は不可能だ。

 前述のギガの消費に関しても、自宅のWi-Fiでコンテンツをダウンロードして外出先で再生できれば解決できるので、将来的な対応に期待したい。

リニューアルされたTVerをうまく利用しよう

 リニューアルによってリアルタイム視聴に対応したTVerは、より普通のテレビに近い使い方ができるようになった。スマホさえあれば視聴できるため、新生活でテレビを購入しないという選択肢が取りやすくなったといえるだろう。現状ではNHKの受信料が不要なのも魅力的だ。

 ただ、TVerには見られない番組がある点、電波の状況によっては画質がテレビ放送よりも劣る可能性がある点、視聴にギガを消費する点などには注意したい。TVerのみでテレビ番組を見るにせよテレビと併用するにせよ万能なアプリではないため、特徴を把握した上での利用が求められる。(ライター・ハウザー)

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