湿度75%でぽっかぽか!ダイニチの加湿セラミックファンヒーターで個室が快適

レビュー

2021/01/10 18:00

 乾燥が気になる季節。暖房と加湿器を併用している人も多いだろう。だが、電気ストーブやファンヒーターと一緒に加湿器を置く場所をとる。かといって卓上サイズの小さな加湿器だと物足りない。そんな不満を解消できそうなアイテムが、ダイニチ工業から登場した「加湿セラミックファンヒータ- EFH-1200F」だ。

ダイニチ工業の「加湿セラミックファンヒータ- EFH-1200F」

湿度が高く暖かい温風

 EFH-1200Fは、厚さが180ミリとスリムでコンパクトなボディで、ハンドルがついているため移動がラク。すっきりしたシンプルなデザインで、場所をとらないので個室に置いてもいいだろう。早速、マンションの6畳部屋で使ってみた。
 
ハンドルを握れば片手で持ち上げられる

 本機から1メートル50センチ離れた場所に温湿度計を置き、その近くに座って温度と湿度の経過をみまもった。その日の室温は15℃、湿度は56%だった。

 まずは自動モードでスイッチをオン。自動モードは、室温が約22℃になるように「強」と「弱」を切り替わるモード。室温が上がりすぎると、自動で送風運転に切り替わる。スイッチを切り替える必要がなく、手間がかからないため、基本的には「自動」モードでの使用がおすすめだ。

 温風はすぐに出はじめて、座っていてもそのことが実感できる。温風が広範囲に届いていることがわかる。運転開始から5分後に室温16℃、湿度59%。30分後には室温16℃、湿度66%。1時間後には室温18.3℃、湿度75%という具合に変化した。
 
運転して5分後に室温16℃、湿度59%に上昇
 
1時間後には室温18.3℃、湿度75%まで上がった

 使ってみて実感したのは、それほど温度は上昇していないが、体感では充分な暖かさを感じることだ。ダイニチ工業によると「多くの湿度を含んだ温風を送るため、体感温度があたたかく感じる」とのことだ。確かに温湿計でも、時間の経過とともに湿度が上昇しているのが目立った。

 なお、カタログの使用の目安として「暖房の目安は断熱材がない場合でコンクリート住宅が4.5畳、木造住宅なら約3畳、寒冷地のように断熱材が厚い住宅の場合(50mm)、コンクリート住宅が約8畳、木造住宅が約6畳」と記載されている。

 今回使った部屋はコンクリートの6畳であったため、部屋全体をあたためるには少し時間がかかったが、実際に座っていた地点ではしっかりと温風があたり、寒さをしのぐには充分だったといえる。ちなみに別の日に使った時の1時間後は、室温20℃、湿度64%だった。

 搭載するセンサーは、人の動きをみる「省エネセンサー」と「室温センサー」の二つ。省エネセンサーは上下約60度、左右約90度で人の動きを検知し、約5分間検知しないときには自動で運転を停止してくれる。人の出入りがある場所などでの切り忘れを防止できる。

静かな運転音

 加湿方式は気化式を採用。加湿量は温風「強」+加湿運転時が480ml/h、温風「弱」+加湿運転時が220ml/hだ。加湿量最大運転時の連続加湿時間は約8時間となっている。

 これだけの加湿パワーがあれば、暖房時も乾燥しないため肌にやさしく快適に過ごせる。のどが痛くならないので、咳などもでにくくなったように思う。

 なお、湿度センサーは非搭載のため湿度の設定はできない。しかし、加湿器だけの単独運転や温風運転のみも可能なので、天気や季節など状況によってモードを切り替えて使うのが良さそうだ

 静音性も優れており、温風「強」+加湿運転時の運転音は約27dB。個室で使う際は暖房機との距離が近いため運転音が小さい点は重要だ。

タンクの水替えは毎日

 加湿器なのでタンクの水替えは毎日メンテナンスする必要がある。通常の水道水で問題なく、ミネラルウォーターや井戸水、アルカリイオン水、浄水器の水などは不可だ。

 タンクにはリング状の「Ag+抗菌アタッチメント」が備えられており、タンクやトレイのヌメリを抑制する。アタッチメントは1シーズンごとに取り替える必要があり、メーカー直販サイトの税込み価格は1100円となっている。
 
タンクの水替えは毎日メンテナンスしよう
 
「Ag+抗菌アタッチメント」

 トレイ内の雑菌やカビの繁殖を抑える「抗菌気化フィルター」は、手入れ時期を知らせる「お手入れサイン」が知らせてくれる。抗菌気化フィルターは押し洗いできないので、ぬるま湯にクエン酸などを溶かして約30分~2時間つけ置きした後、すすぎ洗いをする。クエン酸などを用意する点は、人によっては手間に感じるかもしれない。
 
「抗菌気化フィルター」

三つの安全装置

 シンプルな操作で使いやすい本機は、「対震自動停止装置/過熱防止装置/室温異常自動停止装置」の三つの安全装置も搭載する。

 対震は震度5以上の揺れを検知すると運転を停止する。あやまってぶつかった時など、本体が激しく揺れたときは、確かに運転がストップすることがあった。

 過熱防止や室温異常自動停止は、洗濯物や寝具などで空気取込口や温風吹出口がふさがれるなどした際に、本体内部が危険温度に到達すると自動でストップする。

電気代は賢く使って抑制

 加湿機能はシンプルながら、強モードで1200Wの暖房パワーを持ち、さらに省スペースという点は魅力的だ。ファミリー世帯のLDKなどでメインとして使うにはちょっと物足りないが、他の暖房機器と組み合わせた補助暖房としてなら良いだろう。

 設置工事が不要でスイッチを入れるとすぐに暖かくなるのがセラミックファンヒーターの良さだが、使い過ぎると電気代が高くなってしまう。本機は「入/切タイマー」「省エネセンサー」「自動」モードを備え、運転モードの切り替えが簡単なので、個室でこれらの機能をかしこく使うといいだろう。

 カラーはホワイトとブルーの2色で、本体外形寸法は410×375×180mm、重量は約4.9kg。加湿用のタンク容量は3.8L。税込み実勢価格は2万2800円となる。(家電ライター・伊森ちづる)