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【レビュー】BenQのフォトグラファー向けディスプレイ「SW271」をプロカメラマンが試してみた

レビュー

2017/12/25 20:00

機能面、画面から離れてOSDメニューを操作可能

 「SW271」の解像度は、フルHDの4倍に相当する4K UHD。また、10億色以上を同時に表示できる10-bitパネルを採用し、画像の細かな部分までしっかりと表示するため、今まで気が付かなかった写真の中のドラマや、画像本来の美しさを表現することができる。さらに、色再現性は14-bit 3D ルックアップテーブルによりデルタE≦2の色差を満たすため、現実に近い画像を描画する。

 実際に写真を確認した大星氏は「4Kはドットが細かく、思っていたよりも画面がきれいだった。写真は高精細に表示されるため、確認作業も編集作業も快適」と感想を述べた。
 

「写真を確認するなら、やっぱり4Kは断然きれい」と大星氏

 大星氏がとりわけ注目していたのは、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)ボタンの役割を代用する「ホットキーパック(OSDコントローラー)」だ。ディスプレイ本体のメニューを操作できるほか、3つのショートカット機能が設定可能。初期設定では、Adobe RGBモードとsRGBモード、モノクロモードの表示切り替えがセットされており、好みに応じて入れ替えることができる。
 

便利な「ホットキーパック(OSDコントローラー)」

 ホットキーパックの操作感については「ディスプレイ本体のボタンは横並びか縦並びなので、どのボタンがどういった動作をするのか、把握して慣れるまで時間がかかる。ホットキーパックは直感的に操作できるのが魅力的」と称賛する。

写真を見せる相手の確認環境にあわせて、最適なモードを選ぶ

 写真を撮影することがあれば、誰かに見せる機会も増えてくるだろう。「もし写真を第3者に見せる場合、注意しなければならないのは相手が写真を見る環境」と、大星氏は指摘する。もしSNSやメールで届ける場合は、「SW271」が100%カバーし、多くのディスプレイが対応する規格「sRGB」での出力がベター。高性能なプリンタで出力する場合は、さらに豊富な色が表現できる規格「Adobe RGB」(99%カバー)がベストだという。

 作業環境として、高画質と高い色精度に加えて、Adobe RGBモードとsRGBモードのどちらも備える性能は「豊富な色が出力可能な印刷機に合わせて画像を調節しなければならない印刷用の画像と、見る側のモニタの性能によって画像の色味を左右されないため、限られた色で最適な見え方を追求する必要のあるWeb用の画像の、どちらも手掛けるカメラマンにとってはありがたい」(大星氏)。

 「手元でAdobe RGBモードとsRGBモードが切り替えられる機能は非常に便利。腕1本分くらいは画面から離れて、かつ切り替えに時間をかけずに画像を確認したいので、ホットキーパックに設定したままにしている」と大星氏は語る。

 さらに「SW271」は、モノクロモードを搭載することで、画像をモノクロに編集してしまう前に、手軽に編集後の様子を確認できる強みを持つ。モノクロモードには白が強い、黒が強い、その中間の3段階を用意。ホットキーパックにそれぞれセットしておけば、ワンタッチでコントラストを切り替えながら加工後の雰囲気を把握できる。大星氏は「普段からモノクロ写真をたしなむ人にはうれしい機能」とコメントする。
 

3段階のモノクロモードを備える

 「ワイドカラーガンマやモノクロモードのコントラストの差をさらに効率的に比較したい場合、サブのPCを持つカメラマンならGamutDuoモードがオススメ」だという。なぜなら、PBPモードに切り替えることで2台それぞれのPC画面を同時に出力することができ、それぞれ色空間も分けることができるからだ。

 キャリブレーションには、グラフィックカードの出力データを変えることなくディスプレイ内部の画像処理チップを調節できるハードウェアキャリブレーションを採用。ソフトは「Palette Master Element」をサポートする。
 

2台のPC画面を同時に出力。別々にカラーモードを選択できる

 大星氏は「ホットキーパックで操作性が高く、高画質で写真がきれいに映る、値段には遮光フードが含まれる、多彩な機能など、カメラマン用として納得できる製品」と総括した。

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