日本先行でリリース、iOS機能を強化した「ノートン モバイルセキュリティ」

 シマンテックは、4月19日、iOSモバイル端末向けのパスワード・個人情報管理機能を強化した「ノートン モバイルセキュリティ」最新版を発表した。


「ノートン モバイルセキュリティ」最新版
 

シマンテック調査で判明したID/パスワード管理の実態

 記者発表会は2部形式で開催され、1部では2016年7月22日~7月31日にインターネットリサーチで実施した「消費者意識調査」の結果を報告した。内容は「ID/パスワードの管理について」だ。
 

シマンテックが実施した「消費者意識調査」のサンプル属性

 初歩的なセキュリティ対策であるスマートフォンのパスワードロックだが、調査対象者全体の27%がロックをかけていないと回答。内訳は男性が25%で女性が30%。微差だが、女性のほうがロックしていない割合が高かった。

 年代別の比較だと、意識差は歴然だ。男性の10代後半~20代、女性の10代後半では80%以上がロックしているが、60代では男性で35%、女性では43%がロックをしていないことが判明した。
 

スマートフォンのパスワードロックに関する調査結果

 ノートン事業統括本部 マーケティング部の古谷尋部長は「若い世代の意識が高いのは家族の目を意識していることもあるが、学校でデジタルリテラシーを学んでいるからではないか」とコメント。昨今、SNSやコミュニケーションツールからトラブルが生じる事例は増えており、対策を打つ教育機関が増えていることを要因に挙げた
 

ノートン事業統括本部 マーケティング部の古谷尋部長

 「使用しているパスワード種類数」では平均で4.2種類という数値が出た。想像していたより高く感じたが、一方で1種類のパスワードを使い回している回答も12%を占めた。「パスワードの種類が多いのはもちろん、どんな情報にもとづくかも非常に重要。アンケートでは“誕生日”が、性別・年代問わず高い割合を占めた」と古谷部長はパスワード設定の傾向を説明する。
 

パスワード設定の傾向に関する調査結果

 パスワードの管理方法については、全体の62%が記憶を頼りにしており、手帳やノート、デジタル端末のメモが続く。各社が注力するアプリやソフト形式の管理ツールは1割以下。まだまだ一般に浸透していない実態が浮き彫りになった。
 

iOSシェアが高い日本市場がターゲット

 1部の調査結果を踏まえて、発表したのがiOSモバイル端末向けのパスワード・個人情報管理機能を大幅に強化した「ノートン モバイルセキュリティ」の最新版だ。iPhone/iPadのシェアが高い日本市場の特性を考慮し、世界に先駆けて先行リリースする。

 特徴は「データ保管庫」「セーフブラウザ」「パスワード作成機能」の三つの新機能だ。

 「データ保管庫」では、ID/パスワード/氏名/電話番号/メールアドレス/銀行口座番号/クレジットカード番号/メモを暗号化して安全に保管する。ID/パスワードは内蔵ブラウザが自動保存し、特定サイトのログイン画面やショッピングサイトの注文画面のログイン時には自動入力してくれる。

 ログイン情報はサイトごとに登録でき、スワイプすると当該サイトにアクセスすることも可能。なお、iOS端末の標準ブラウザである「Safari」にも対応する。
 

各種個人データを管理できる「データ保管庫」

 iOSはAndroidのようにアプリからリスクが生じる危険は少ないが、ブラウザ経由で脅威に侵害されるリスクは同様だ。こうした可能性を軽減するために実装したのが「セーフブラウザ」機能だ。アクセスするWebサイトの安全性を診断し、危険なサイトやフィッシング詐欺サイトをブロックする。
 

Webサイトの安全性を診断する「セーフブラウザ」

 複雑な文字列の生成がパスワード設定のハードルになっていることを踏まえて、パスワード自動作成ツールも搭載。大文字や小文字、数字、記号の使用可否や文字列の長さを選択することができ、さまざまなパターンのパスワードを作成することが可能。「データ保管庫」と組み合わせることで、より手軽かつ安全にパスワード管理できる。
 

パスワード生成機能も搭載
 

Android版/iOS版の機能一覧

 税込価格はパッケージ版・POSA版ともに、ノートンモバイルセキュリティ1年版が3065円、ノートンモバイルセキュリティ2年版が5637円、ノートンモバイルセキュリティ同時購入1年版が2100円、ノートンモバイルセキュリティ2年版同時購入が4000円。(BCN・大蔵 大輔)