ヨドバシカメラが名古屋・栄の松坂屋名古屋店に11月、新店オープンへ

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2015/06/10 20:22

 ヨドバシカメラは11月1日、名古屋市の繁華街・栄に新店をオープンする。日本最大級の8万6758平方メートルの売場面積を誇る大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店にインショップの形で入るもの。同社の中部地区への進出は今回が初めて。

 栄の目抜き通り、久屋大通沿いにそびえたつ松坂屋名古屋店は本館、南館、北館の3館で構成される。ヨドバシはそのうちの南館の4~6階に入り、品ぞろえは368万点と、東京・秋葉原のマルチメディアAkibaや大阪・梅田のマルチメディア梅田に引けを取らない。

日本最大級の8万6758平方メートルを誇る松坂屋名古屋店の南館4~6階に、ヨドバシカメラが11月に新店をオープンする

中部エリアのインターネット通販のスピード品質もアップか



 販売員の豊富な商品知識や接客力の高さを売りにするヨドバシカメラは、顧客のニーズに合わせて家電製品をトータル提案するコンシェルジュカウンターを充実させる。これまで百貨店にあまり足を運ばなかった40代や50代、健康やおしゃれ、趣味への消費に意欲的なシニア「グッドエイジ」の取り込むを狙うという。

 また、ヨドバシはインターネット通販のサービにも力を入れている。ヨドバシ・ドット・コムでは、配送料無料の当日注文お届けサービスを展開しており、即日配達エリアを着実に広げている。もちろん、愛知県の名古屋市も即日配達エリアだが、岐阜県や三重県、北陸地方は「翌日」の配達となっている。ヨドバシの中部進出により、スピード配達のエリア拡大によるサービス品質の向上も期待されるところだ。

松坂屋名古屋店は大規模リニューアルの総仕上げ



 1910年開業の老舗、松坂屋名古屋店は、2012年から大規模なリニューアルを行っている。第1期はいわゆるファストファッションで若者から人気の高いH&Mを導入。13年の第2期はポケモンセンター名古屋を導入するなどして、ファッションセンスに敏感な若者や子育てのファミリー層の来店を増やしてきた。

松坂屋名古屋店のリニューアル・フロア構成

 今春から展開しているリニューアルは第3期の総仕上げに相当し、8万6000平方メートルの約29%に相当する2万5000㎡のフロアを再編している。グッドエイジサロンやシューズ、バッグギャラリーを設置。秋までに北館4階でゴルフやスポーツ、本館8階の美術や呉服売り場を展開する。これら一連の大規模リニューアルの中で、11月に南館のヨドバシカメラがオープンする。

 JR名古屋駅は太閤通口側にビックカメラが名古屋駅西店を構えているほか、再開発が進む名駅通り側にもビックカメラが出店する予定。11年11月にオープンしたヤマダ電機のLABI名古屋もある。さらに名古屋駅と栄地区までの間には、地元名古屋を創業の地とする旧エイデンが13年6月にオープンしたエディオン名古屋本店もあるなど、家電量販店の都市型店舗がしのぎを削っている。ヨドバシの名古屋進出により、さらに熾烈な競争が繰り広げられるのは必至だ。