ライカ、APS-Cのミラーレス一眼「ライカT」、交換レンズ2本も同時発売

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2014/04/28 18:47

 ライカカメラは、APS-Cサイズの撮像素子を搭載するミラーレス一眼「ライカT(Typ 701)」を5月26日に発売する。ボディ単体の価格は23万7600円前後の見込み。また、4月25日に都内で記者会見を開き、独ライカカメラAGのステファン・ダニエル プロダクトマネージャーが「ライカT」の特徴や開発の経緯を語った。

ライカT

ライカT

100周年を迎えるライカ 発祥の地「ウェッツラー」に新社屋を建設



 冒頭、ステファン・ダニエル プロダクトマネージャーは、「2014年はライカ誕生100年にあたる」と切り出した。100年前の1914年、独エルンスト・ライツ社の技術者オスカー・バルナックが「ウル・ライカ」という35mmカメラの試作機を設計した。これが「ライカ」の起源だ。

ライカの歴史を説明するステファン・ダニエル プロダクトマネージャー

ライカの歴史を説明するステファン・ダニエル プロダクトマネージャー

 100周年に合わせて、現在、ライカは発祥の地である独ヘッセン州ウェッツラーに新社屋「ライツパーク」を建設中だ。5月末にオープンする「ライツパーク」は、ミュージアム、ギャラリー、フラッグシップストアなどを擁し、「360°ライカを楽しめる場所になる」(ダニエル プロダクトマネージャー)という。

「ライツパーク」のイメージ

新社屋「ライツパーク」のイメージ

新たなユーザー獲得を目指した「ライカT」



 常に最高の製品を目指してカメラづくりに取り組み、カメラの歴史に大きな影響を与えてきたライカが、「新たな歴史をつくる」と自信をもって発表したのが「ライカT」だ。

「新たな歴史をつくる」という

「新たな歴史をつくる」という

 「必要なものはすべて備え、不要なものはすべて削った」とステファン・ダニエル プロダクトマネージャーが話す「ライカT」は、大きなタッチパネル液晶と四つの操作部だけのシンプルなインターフェースを採用した。

インターフェースは液晶パネルと四つの操作部だけ

インターフェースは液晶パネルと四つの操作部だけ

 ボディは世界初というアルミニウムの塊から削り出したユニボディ。1.2kgの無垢のアルミニウムの塊を94gに削り、さらに職人が45分かけて手作業で磨き上げるというこだわりようだ。

アルミの塊から削り出したボディ

アルミの塊から削り出したボディ

 有効画素数1630万画素のCMOSセンサを搭載し、新開発の画像処理エンジンによって、あらゆる状況で高画質の写真を撮影できる。レンズマウントは「ライカTバヨネットマウント」方式。16GBの内蔵メモリを備え、転送はUSBケーブル、SDカードのほか、Wi-Fi機能を備え、iOSアプリ「Leica T app」をインストールしたiPhoneに撮影映像を転送できる。

 発売時点の「ライカT」のレンズは2種類で、焦点距離が18~56m(35mmフィルム換算で約27~84mm相当)の標準ズームレンズ「ライカ バリオ・エルマーT f3.5-5.6/18-56mm ASPH.」と焦点距離が23mm(35mmフィルム換算で約35mm相当)の大口径標準レンズ「ライカ ズミクロンT f2/23mm ASPH.」。また、「T用Mレンズアダプター」で、ライカMマウントの交換レンズも装着できる。

 ターゲットとする層について、ダニエル プロダクトマネージャーは、「これまでライカに入ってきにくかったユーザー」として、「『ライカM』によりも価格を抑えた」と説明。ライカとしては低価格のモデルではあるが、「ライカのボケ味を達成している」と描写力に自信をみせた。