ソニーのBluetoothスピーカーが好調、今年も「BCN AWARD」を狙う

特集

2013/11/28 18:57

 街にクリスマスソングが流れる季節。年が明ければ、2013年の1年間で最も販売台数の多かったメーカーを表彰する「BCN AWARD 2014」が待っている。全国の主要な家電量販店、パソコン専門店、ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」にもとづいて、デジタル家電、PC、PC周辺機器など、部門別の年間販売数No.1メーカーを表彰する制度だ。スピーカー部門では、ソニーが3年連続1位の座を狙っている。

 「BCN AWARD 2014」の受賞メーカーを発表するのは来年の1月だが、現在の数値をみながら、スピーカー部門の受賞メーカーを占ってみたい。BCNランキングの2013年1~10月のデータを合算した累計のメーカーシェアでは、1位がソニーで16.3%、2位がエレコムで13.2%、3位がロジクールで11.5%だった。

スピーカーの売れ筋ランキング


 スピーカー部門は、これまでデスクトップPCなどに接続するPC周辺機器の一つだった。PCに保存した音楽をよりいい音で楽しみたい――そんなユーザーが、外付けのスピーカーを購入していた。だから、PC周辺機器を数多く揃えるエレコムが、「BCN AWARD 2004」から8年連続で受賞してきた。

 しかし、近年、市場は激変している。携帯オーディオやスマートフォンが普及し、音楽データの大半をこれらのモバイル機器に保存するようになったことで、売れ筋が変化してきたのだ。それまでは据置きのデスクトップPCと接続する有線タイプが主流だったが、スマートフォンや携帯オーディオとワイヤレスでつながるBluetooth対応モデルが増えている。

 この市場の変化に合わせてBluetooth対応モデルを強化したソニーは、「BCN AWARD 2012/2013」と、2年連続で年間販売数1位の座を獲得。今年も現時点まで元王者のエレコムにシェアで3ポイント近い差をつけ、首位を走っている。

ソニーのスピーカー戦略、Bluetoothが市場開拓のカギに



 いまや個室からコンポやラジカセが消え、ほとんどの人がスマートフォンや携帯オーディオに保存した音楽をイヤホン/ヘッドホンで聴いている。携帯オーディオ「ウォークマン」を擁するソニーは、市場動向の変化を敏感に察知すると、主軸を有線スピーカーからBluetooth対応スピーカーに切り替えた。Android端末、iOS端末を問わず、すべてのスマートフォンがBluetoothに対応しているので、Bluetooth対応のスピーカーであれば、ワイヤレスでスマートフォンに接続でき、スマートフォン内の音楽を聴くことができるからだ。

 ソニーはBluetooth対応スピーカーに力を入れ、その結果、Bluetooth対応スピーカー市場で26.9%のシェアを獲得し、業界1位となった。さらに、スピーカー市場全体でもBluetooth対応モデルの比率が高まるなかで、直近の2013年10月ではシェアは23.5%までに上昇。舵切りが正しかったことを証明した。

 その強さの証が、2012年10月発売の「SRS-BTV5」だ。Bluetooth接続がより簡単になるNFC(近距離無線通信)に対応した丸いきょう体をもち、発売直後から高い人気を博した。Bluetooth対応モデルに限ってカラーバリエーションを合算したシリーズ別ランキングをみると、発売月の2012年10月から今年10月まで、「SRS-BTV5」が2位に甘んじたのは、今年8月と10月の2回だけ。残りの11か月は1位に輝いた。


 「SRS-BTV5」は、直径約65mmの球体型スピーカーで、この独特な形状を生かしてスピーカーを中心に360°全方位に音を響かせる。一般的に、スピーカーは一人の聞き手に向けて前方に音を響かせるが、「SRS-BTV5」の誕生によって、音楽を友人などと一緒に聴く文化が生まれた。最大約5時間の連続再生に対応するリチウムイオン充電池を内蔵し、外に持ち出すこともできるので、キャンプなどで大勢で音楽を楽しむことができる。

「SRS-BTV5」

1年間上位を走り続けた「SRS-BTV5」

 「SRS-BTV5」の音楽をシェアする文化を継承したのが、今年10月に発売した「SRS-BTS50」だ。ペットボトルほどのコンパクトなスピーカーで、バッテリを内蔵しているので、屋外でも室内でも使うことができる。

 「SRS-BTV5」は360°全方位だったが、「SRS-BTS50」は音の広がり方を加速度センサによって自動制御する。スピーカーを正面に向ける「ノーマルモード」は、前方に音を響かせる。スピーカーを上に向けると「サラウンドモード」に切り替わり、スピーカーを中心にワイドに音が広がる。「SRS-BTV5」のように360°とまではいかないが、広範囲に音が広がるので、どこでも同じような音場で楽しめる。一人で聴くとき、複数人で聴くときと、シーンに合わせて使い分けることができるのだ。

「SRS-BTS50」

最新モデルの「SRS-BTS50」

 音質も大きく向上した。パッシブラジエータを設置面に平行に配置し、振動を設置面に効果的に伝えて豊かな低音を再生する。最大出力は2.5W+2.5Wで、標準コーデックのSBCに加え、AACに対応。iPhoneなどの音声をクリアな音で楽しめる。

 また、BluetoothとNFCに対応する「SRS-BTS50」は、スマートフォンとの連携も簡単だ。先日発売したスマートフォン「Xperia Z1」、12月下旬に発売する「Xperia Z1f」のアクセサリとしても注目を集めている。

 最新の週次ランキングでは、定番モデルの「SRS-BTV5」がシェア11.6%で3位、新製品の「SRS-BTS50」がシェア4.1%で5位、サブウーファーを内蔵した2.1chモデル「SRS-BTD70」がシェア2.7%で8位と、トップ10内に3製品がランクインしているソニー。スマートフォンとの相性のいいBluetooth&NFC対応スピーカーで、「BCN AWARD 2014」の受賞を狙っている。(BCN・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。