Windows 8搭載タブレット「IdeaPad Miix 10」、キーボードを装着して一台二役

レビュー

2013/07/31 17:17

 iPadやNexus 7などのタブレット端末の普及が進むなかで、タブレットとしてもノートPCとしても使えるコンバーチブルタイプの端末が人気を博している。このタイプの魅力は、タブレット端末の手軽さとノートPCの使い勝手を両立していること。ウェブの閲覧や友人とのコミュニケーションはタブレットで、年賀状や文書の作成は文字入力がしやすいPCで――こんな使い分けを実現するのがコンバーチブルモデルだ。

 コンバーチブルモデルのタブレットとして話題を呼んでいるのが日本マイクロソフトの「Surface Pro」だが、レノボ・ジャパンも同様のタブレット端末「IdeaPad Miix 10」を発売した。「Surface Pro」と比べて割安感があり、手軽に入手できるのが魅力。さっそく使用感なども含めて、その魅力に迫ることにしよう。

IdeaPad Miix 10

レノボのコンバーチブルモデル「IdeaPad Miix 10」

Office搭載モデルでも7万円前後



 7月26日発売のレノボ「IdeaPad Miix 10」は、10.1型タッチディスプレイを備えたWindows 8搭載タブレット。カバーケースを兼ねるキーボードつきで、これを使うことでノートPCと同様のタイピング操作ができる。キーボードに加え、もう一つの大きな魅力が手頃な価格だ。

 例えば、128GBのストレージを搭載した「Surface Pro」は9万9800円。対する「IdeaPad Miix 10」(64GBモデル)は7万円前後だ。なお、Office非搭載モデルは6万5000円前後。5000円しか差がないのならOffice搭載モデルを選びたい。

 バッテリ駆動時間が長いのもすぐれた点の一つだ。「Surface Pro」のバッテリ駆動時間は約4時間、「Surface RT」は約8時間だが、「IdeaPad Miix 10」は約10時間駆動する。この強力なスタミナは、出張や外出先での使用で非常に心強い。

 持ち歩くことが多いタブレットは、重さも重要なチェックポイントだ。「IdeaPad Miix 10」は、タブレット部分とキーボードを合わせて1060g、タブレット部分で約580gと、ほかのタブレットに比べてやや重い。とはいえ、ウルトラブックなどのノートPCとして考えるなら十分軽量だ。また、厚さはタブレット部分だけだと10.1mm、キーボード装着時で21.0mmと「Surface Pro」や「Surface RT」に比べるとやや厚め。このあたりは、使用目的や、どんなカバンに入れて持ち歩くのかといったユーザーの条件によって変わってくるだろう。

キーボードを装着すると21mmとちょっと厚めに

キーボードを装着すると21mmとちょっと厚めに

しっかりした打鍵感が心地いい「IdeaPad Miix 10」のキーボード



 では、「IdeaPad Miix 10」の実際の使い勝手はどうだろうか。実機を借りてひと通り操作を試みた。操作にあたっては、キーボード(フィリオケース)を装着し、主にノートPCとしての使用感をチェックした。

 使ってびっくりしたのが、キーボードの打鍵感が思った以上にしっかりしていることだ。「タブレット付属のキーボードだから」と侮っていたのだが、実際に使うと、キートップのサイズやキーピッチが十分に広く、ウルトラブックなどと比較してもまったく遜色なく快適にタイピングできる。打鍵音は静かで、文書作成やショートカットキーでのOS操作を重視する人などにとっては、ぜひ注目してほしいポイントだ。

タイピングしやすいキーボード

ウルトラブック(右)と比べても遜色ないタイピングしやすいキーボード

 また、ドライブにSSDを採用しているので、動作音は非常に静か。動作自体もキビキビとしていて快適だ。OSの起動はもちろん、各種アプリケーションの起動も速く、ストレスを感じることはまったくない。

 もう一つスペックだけでは見えてこないポイントとして、タブレット部分とキーボードの固定が、思った以上にしっかりしているという点が挙げられる。タブレット部分とキーボードの接続はマグネット式で、ワンタッチで取り外しできるのだが、磁石自体が非常に強力でかなり強力に固定できる。キーボードを使う際もガタつくことなく、安定した状態で操作できる。

キーボードとタブレットは強力な磁石でしっかり固定される

キーボードとタブレットは強力な磁石でしっかり固定される

 キーボード装着式のタブレットの場合、キーボードが薄すぎて打鍵感に乏しかったり、タブレット部とキーボードの接合部分がガタついていて不安定だったりといったことがよくあるが、この「IdeaPad Miix 10」は、そういった不具合は見受けられなかった。

タブレット購入を考えている人、サブPCの購入を考えている人にオススメ



 搭載メモリと最大メモリ容量が2GBであることや、搭載SSDの容量が64GBであることなどにやや不満を感じないわけではないが、ふだん使いではそれほど不満を感じることはまずないだろう。

 最近は、オンラインストレージなどのクラウドサービスが普及し、タブレット端末ではそうしたサービスが積極的に活用されていることを考えれば、64GBというSSDの容量はさほど大きな欠点とはならないだろう。

 それ以上に、コストパフォーマンスのよさやノートPCとして使える点などを筆頭に魅力的な部分が多く、タブレット端末の購入を考えている人、コンパクトなサブPCの購入を考えている人のいずれにもオススメできるのがこの「IdeaPad Miix 10」だといえる。

 レノボは9月30日まで同社のタッチ対応製品を購入した人を対象に、抽選で10万円分の旅行券かLenovo Team Impal スーパーフォーミュラ観戦チケットを、応募者全員にオリジナルタオル&スクリーンクリーナーキットをプレゼントする「レノボDO.タッチ キャンペーン」を実施している。買うならいまだ。(ITジャーナリスト・市川昭彦)