• ホーム
  • ライフスタイル
  • 日立マクセル、iPad2用ワイヤレス充電器セット「エアボルテージ for iPad2」、世界初の電界結合方式モジュールを採用

日立マクセル、iPad2用ワイヤレス充電器セット「エアボルテージ for iPad2」、世界初の電界結合方式モジュールを採用

ニュース

2011/09/28 19:37

 日立マクセルは、9月28日、村田製作所が開発した電界結合方式電力伝送モジュールを世界で初めて採用したiPad 2用ワイヤレス充電器セット「エアボルテージ for iPad2(WP-CP10A)」を、11月25日に発売すると発表した。価格はオープンで、実勢価格は1万5000円前後の見込み。村田製作所と共同で開いた記者会見で新製品を披露した。

充電ケーブルなしでiPad2が充電できる「エアボルテージ for iPad2」(ホワイト)

 村田製作所が開発した電界結合方式のモジュールは、10Wのワイヤレス電力伝送ができるもので、世界で初めて量産化。アンテナに薄い電極を使用できるので機器に組み込みやすく、また電極部の発熱がないのでバッテリにやさしく、安全な機器として商品化できる。日立マクセルは、このモジュールを搭載することで充電ケーブルなしでiPad 2が充電できる「エアボルテージ for iPad2」を商品化。あらかじめ専用のカバーを装着したiPad2を専用スタンドに置くことで、簡単に充電できる。ドックコネクタの抜き差しが不要で、煩わしさがない。 

「エアボルテージ for iPad2」に搭載する村田製作所の電界結合方式モジュール

 iPad2を装着する「エナジーカバー」は、幅191×奥行き265×高さ15mm、重さ約240g。「エナジースタンド」は、幅148×奥行き106×高さ188mmで、重さ約380g。エナジースタンドの電源はACアダプタ。カラーは、ブラックとホワイトの2色をラインアップする。 

村田製作所の西村昌雄・技術・新規事業推進統括部統括部長

 記者会見で村田製作所の西村昌雄技術・事業開発本部新規事業推進統括部統括部長は、「村田製作所は、現在、新規事業に注力しており、なかでもエネルギー事業に重点を置いている。従来からデータをワイヤレス伝送するためのモジュールビジネスに取り組んできたが、今後はエネルギーもワイヤレスにすることをキーワードに、利便性を追求していきたい」と述べた。

 今回の村田製作所の10Wのモジュールのサイズは、送信モジュール(エアボルテージ for iPad2のスタンド側に搭載)30.0×108.0mm、受信モジュール(iPad2に装着するカバー側に搭載)は11.5×76.5mm。今後、より小型化を図るとともに、スマートフォン向けの5Wモデル、さらに25/50Wモデルなども開発する。 

日立マクセルの今津龍也商品開発本部商品部副部長兼HDD・新分野グループリーダー

 日立マクセルは、すでに電磁誘導方式の規格「Qi(チー)」を採用したiPhone4用充電カバーと充電ステーションの「エアボルテージ(AIR VOLTAGE)」を発売しているが、「Qi」は5Wで、10Wが必要なiPadは充電できない。日立マクセルの今津龍也商品開発本部商品部副部長兼HDD・新分野グループリーダーは、「ユーザーニーズに対応するためには、規格にとらわれず、広く対応していく。今はワイヤレス充電の黎明期。普及拡大を図っていくために、切磋琢磨していく」と、電界結合方式電力伝送モジュールを採用した背景と方針を述べた。