KDDIと京セラ、音声振動レシーバーを搭載した「新聴覚スマートフォン」を試作

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2011/09/27 20:43

 KDDIは、9月27日、京セラと共同で、耳に接触させることで音を直接内耳に伝達する「音声振動素子(仮称)」を開発し、これをレシーバー(受話口)として搭載したスマートフォンを試作したと発表した。

開発した試作機

 開発したレシーバーは、振動することで耳内部で音に変換したり、直接鼓膜に音を伝えたり、ディスプレイパネルなどに作用して音を出す。試作機は、従来の骨伝導スピーカー搭載の携帯電話とは異なり、耳にあてるだけの自然な操作で聞くことができ、あてる位置がずれても聞きやすさを維持する。

 開発した「音声振動素子(仮称)」は0.6mm以下と薄く、携帯電話本体の小型化に寄与するほか、空気を介して音を伝える際に必要な「音穴」が不要になるので、携帯電話のレシーバーの防水・防塵性能の向上、パネル部品のコスト軽減なども期待できる。この技術を用いることで、イヤホンやヘッドホンを装着して音楽を視聴している最中に着信があっても、イヤホン、ヘッドホンを外さずに通話したり、騒音の大きい工事現場などで耳栓をしたまま通話したりできる。

 開発した試作機は、10月4日から千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2011」のKDDIブースで、「新聴覚スマートフォン」として参考出展する。KDDIでは、試作機をベースに開発を進め、2012年度中の商用化を目指す。