立ち上がりつつあるタブレット端末の国内市場に、レノボ・ジャパンが「IdeaPad Tablet K1」で参入した。同社はタブレット端末を主軸のPCを補完する製品として位置づけ、PCとタブレット端末、両方の市場で主導権を握ろうとしている。その拡大戦略はどのようなものなのか。コンシューマ事業の責任者である大岩憲三常務執行役員に聞いた。(取材・文/佐相彰彦)

◎プロフィール
(おおいわ けんぞう)コンパック・コンピュータ(現日本ヒューレット・パッカード)やアップルで10年以上PCの営業に従事。その後、シマンテックでコンシューマ事業やエンタープライズ事業に携わったほか、マカフィーでコンシューマ事業とCSB事業のリージョン・ディレクターを務める。2011年1月、レノボ・ジャパンに入社。常務執行役員として、コンシューマ事業の指揮を執る。

タブレット端末は市場形成を重視
主軸のPCは外資トップを狙う



Q. 「IdeaPad Tablet K1」への家電量販店の反応はどうか。

A.
 当初8月26日に発売を予定していたが、ホワイトのモデルが9月2日、レッドが9月9日の発売日になったために、販売については未知数だ。ただ、家電量販店さんには、非常に期待していただいている。

レノボ・ジャパンの大岩憲三常務執行役員

Q. 期待されている理由は。

A.
 最新のAndroid OS 3.1の搭載や、当社独自の「4in1 OFN(Optical Finger Navigation)」など機能面だ。とくに、一つのボタンで四つの操作ができる「4in1 OFN」のユーザビリティを評価してくれている。また、デザインも「他社に比べてスタイリッシュ」との声をいただいた。

Q. ずばり、拡販策は。

A.
 まずは店員の方々に理解していただくことが重要と考え、当社のラウンダーが店員さん向けの勉強会を実施している。タブレット端末はスマートフォン売り場の近くに置かれることが多く、勉強会に参加しているのもスマートフォン担当の方が多い。「IdeaPad Tablet K1」の操作性が感覚的にスマートフォンと似ているので、多くの方が「売りやすい」と感じているようだ。

Q. 市場は、今後どのようになると捉えているのか。

A.
 今年の夏から秋にかけて、各社のタブレット端末が出揃う。年末から来年以降が市場拡大の時期と捉えている。市場形成に当社が寄与するように取り組んでいく。

Q. PCについては。

A.
 タブレット端末の登場でPC市場が縮小するという見方があるが、そうは思わない。PCは、今後も買い替えが進むだろう。タブレット端末は機能面でPCを補完して、クラウド・サービスなどで連携する製品だ。同時に、通信事業者さんとのパートナーシップをさらに深める意味でも重要な製品。販売面でも、PCを補完すると認識している。

Q. PCが主軸ということか。

A.
 その通りだ。PCあってのタブレット端末といえる。

Q. NECとの提携の進捗は。

A.
 7月にNECレノボ・ジャパングループが発足し、10月にコンシューマ向けPCの電話サポート受付窓口業務をNECパーソナルコンピュータに移管するなど、提携の具現化が進んでいる。当社の製品とNECさんの製品はユーザー層が異なり、棲み分けができている。競合しないので、今後は販売面でも効果が出てくるだろう。グループ全体でシェア30%の目標を掲げているが、当社のほうが日本での販売母数が小さいぶん、伸びしろがある。30%は十分に達成できる数値だ。NECブランドが国内でトップ、レノボブランドが外資系でトップという構図を早急に確立できるだろう。

・Turning Point

 アップルでPC事業に携わっていたとき、シェアで世界トップ、国内トップを同時に経験した。「20年以上も前のことになるが、社内の雰囲気やモチベーションの盛り上がり、アクションなど、その勢いは今でも忘れられない」と振り返る。レノボ・ジャパンに入社し、コンシューマ事業を任されたとき、「(アップルで経験した)勢いを感じた」。国内コンシューマ向けPC市場で、外資系メーカーのなかでシェアをトップにするという明確な目標がある。「今は、アップルで経験した勢い以上の高まりがある」。ノウハウを生かして、目標達成を目指す。


※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年9月5日付 vol.1397より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは