KDDI、電子書籍専用端末「biblio Leaf SP02」を12月25日に発売、「LISMO Book Store」もオープン

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2010/12/21 20:51

 KDDIは、12月21日、通信機能をもつ6型画面のフォックスコン製電子書籍専用端末「biblio Leaf SP02」を、関西地区と沖縄で12月25日に先行発売すると発表した。2011年1月には関東地区でも販売する。価格はオープンで、実勢価格は1万円台半ば。同時に、電子書籍のコンテンツ配信サービス「LISMO Book Store」を開始する。

電子書籍専用端末「biblio Leaf SP02」

 「biblio Leaf SP02」は、約6型の画面に電子ペーパーを採用したB6サイズ程度の電子書籍専用端末。携帯電話の3G通信「CDMA 1X WIN」と無線LAN IEEE802.11b/g/nに対応し、端末でコンテンツを購入できる。電子ペーパーによって省電力化を実現。1回の充電で1万3000ページ相当を閲覧できる。また、長時間読書をしても目が疲れにくい。

 書籍コンテンツは、夏目漱石や太宰治など100作品をプリインストール。内蔵メモリは2GBで、約3000冊の書籍を保存できる。外部メモリとしてmicroSD/SDHCカードに対応。サイズは幅198×高さ129×奥行き9.8mm、重さは約282g。電源は充電池で、ACアダプタで給電する。OSはLinuxベース。カラーはホワイト。

約6型の画面には電子ペーパーを採用する

 コンテンツ配信サービス「LISMO Book Store」では、小説やビジネス書、実用書などを豊富にラインアップ。サービス開始時には約2万点、2011年度中には約10万点を揃える予定だ。文字の書籍だけでなく、これまで主に携帯電話で需要のあったコミックについても提供を検討している。

 料金プランは、「誰でも割シングル(特定機器)」適用時で月額525円。なお、「LISMO Book Store」で販売するコンテンツを半額で提供する「今だけ!キャンペーン」を12月25日-11年3月に実施する。

 雨宮俊武グループ戦略統括本部新規ビジネス推進本部長は、「KDDIは業界でいちはやく電子書籍に着目し、03年11月からビジネスを展開してきた」と、これまでの取り組みを紹介。「ターゲットは本好きな人。『簡単、読みやすい、充実』という三つのキーワードを軸に訴求していく」と意気込みを語った。

奥行き9.8mm、重さ約282gと非常に薄く、軽い

 さらに、11月に発売したauのAndroid搭載スマートフォン「IS03」向けのサービスを11年4月にスタートする予定。また、同一ユーザーであれば、端末が異なってもコンテンツの共有できる仕組みを構築していく。雨宮本部長は「紙の書籍がすべて電子に切り替わっていくとは思っていない。紙と電子の相乗効果が狙える」と出版市場を分析する。

 発表会では、電子書籍のコンテンツ配信プラットフォームを手がけるブックリスタ(前電子書籍配信事業準備)の今野敏博社長がゲストとして登場。ブックリスタは、ソニーと凸版印刷、朝日新聞社、KDDIが10年7月に設立した事業会社だ。今野社長は、「ケータイのコンテンツは充実しているが、専用端末のコンテンツはまだ少ない。コンテンツを充実させてマーケットを作っていく」と抱負を語った。

ブックリスタの今野敏博社長(左)とKDDIの雨宮俊武本部長

 現在、ブックリスタが管轄するのは「LISMO Book Store」とソニーが専用端末「Reader」向けに提供している「Reader Store」。今後、そのほかのさまざまなストアを追加し、ブックストア横断型のキャンペーンなどを検討している。今野社長は、「紙と電子のコンテンツは共存して新しい世界をつくっていける」と出版業界の将来に期待を示した。