KDDIは、携帯電話のSIMロック解除に関して、積極的には取り組んでいかない方針を明らかにした。携帯電話の「ID」となるSIMカードのロックを解除すれば、原理的には1台の端末で複数キャリアのサービスを利用できるようになるが、現時点では各キャリアが使用する通信方式や周波数帯が違うなどの理由から、ユーザーメリットが生じないと判断したもの。

日本におけるSIMカードの状況

 KDDI(au)、NTTドコモ、ソフトバンクの3キャリアは、第3世代(3G)で導入したSIMカード対応の端末で、特定のキャリアの回線しか使えないSIMロックを実施している。SIMロックは、携帯電話の普及を促す販売奨励金を通信料金で回収するビジネスモデルの柱で、短期解約による奨励金未回収を防ぐのが目的だ。

 総務省は、世界から孤立し、「ガラパゴスケータイ」とも呼ばれる日本の携帯電話の国際競争力を上げるために、現在、SIMロック解除の検討を始めている。KDDIは3月31日、これに対応して会見を行い、SIMロック解除の動きに関する立場を明らかにした。

古賀靖広渉外広報本部渉外部長

 会見で古賀靖広渉外広報本部渉外部長は、「キャリア間でSIMカードの互換性がなく、SIMロックを解除してもユーザーにメリットが生じるわけではない。法で義務化されないかぎり、SIMロック解除は当面実現しない」と語った。

 一方、3月30日に開催したau初のAndroid端末発表会では、同社の高橋誠コンシューマ商品統括本部長が、世界共通オープンプラットフォームの採用で、SIMカードを必要としないSIMフリー端末の開発にさらに注力する方向を明らかにしている。