デスクトップPC西・東、関東は省スペース、関西はやはり安さを追求

特集

2008/11/14 18:24

 同じ日本国民といえど地域によって特有の文化や傾向があり、時に驚くような違いが現れる。今回は「デスクトップPC 東西比較」と題し、関東圏と関西圏で売れているデスクトップPCをランキングしてみた。一体どんな傾向が現れるのか? その特徴に迫った。

関東圏、インテリアにマッチする省スペースな一体型モデルが人気


 

 

関東圏デスクトップPCランキング

1

アップル iMac 2.4GHz Intel Core 2 Duo MB323J/A

市場推定価格:131,200円(税込)

発売年月:2008/04

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2

富士通 FMV-DESKPOWER F FMVFB70T

市場推定価格:175,500円(税込)

発売年月:2008/08

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3

富士通 FMV-DESKPOWER CE FMVCEB40

市場推定価格:147,100円(税込)

発売年月:2008/08

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4

アップル iMac 2.66GHz Intel Core 2 Duo MB324J/A

市場推定価格:162,900円(税込)

発売年月:2008/04

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5

ソニー VAIO type J シルバー VGC-JS50B/S

市場推定価格:141,400円(税込)

発売年月:2008/09

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 まず、関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の08年10月のデスクトップPC販売台数シェアを見てみよう。1位はアップルの「iMac」の08年春モデル「MB323J/A」だ。奥行き18.9cmの場所をとらない一体型で、20インチワイド液晶を搭載する。酸化皮膜処理したアルミニウム1枚で縁取ったデザインは、一見PCとは思えない。1GBのメモリ、250GBのHDDを搭載する。


 続いて2位と3位には、ともに富士通の製品がランクインした。2位の「FMVFB70T」は、1位の製品と同じく一体型モデル。幅約21cmの円型スタンドを採用し、狭いスペースでも設置することができる。キーボードとマウスはワイヤレスで、シンプルなデザインはインテリアにもマッチする。3位の「FMVCEB40」は、一体型ではないものの「狭額縁デザイン」を採用したコンパクトなモデル。冷却ファンをゆっくり回すことで騒音の発生を抑える「サイレント・クーリングシステム」を搭載する。


 4位はアップルの「MB324J/A」だった。1位の製品と同じデザインの「iMac」で、2GBのメモリ、320GBのHDDを搭載する。5位は、20.1型ワイド液晶搭載のソニー「VGC-JS50B/S」。奥行き約15.7cmの一体型で、丸みを帯びたデザインを採用する。


 こうしてみると1-5位全ての製品が、一体型かコンパクトなモデルという結果になった。関東圏10月のデスクトップPCのタイプ別販売台数シェアを見ても、一体型が51.1%と、半数以上を占めている。やはりアパートやマンションに住んでいる人が多いであろう関東圏は、省スペースというのがデスクトップPC選びの重要なポイントになっているようだ。また、インテリアに馴染むシンプルなデザインを好むこともわかる。

 

関西圏、とことん安さを追求、本体とディスプレイは別買い?


 

 

関西圏デスクトップPCランキング

1

eMachines J4504 J4504

市場推定価格:64,000円(税込)

発売年月:2008/04

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2

eMachines J4516 J4516

市場推定価格:58,800円(税込)

発売年月:2008/07

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3

ゲートウェイ GT5686j GT5686j

市場推定価格:83,100円(税込)

発売年月:2008/07

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4

ゲートウェイ FX4710-JB002A FX4710-JB002A

市場推定価格:126,900円(税込)

発売年月:2008/07

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5

eMachines J4517 J4517

市場推定価格:94,600円(税込)

発売年月:2008/07

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 対して関西圏(大阪、京都、兵庫)は、1位と2位にeMachinesの製品がランクイン。1位の「J4504」、2位の「J4516」ともにディスプレイ別売りのベーシックなタワー型PCで、黒いボディーが存在感を放っている。


 続いて3位と4位はゲートウェイの製品で、またもディスプレイ別売りのタワー型PC。3位の「GT5686j」、4位の「FX4710-JB002A」ともに、CPUにインテルのCore 2 Quadプロセッサを採用し、640GBのHDDを搭載する。「GT5686j」は3GB、「FX4710-JB002A」は4GBのメモリを備えるハイスペックモデル。5位には、eMachinesの「J4517」がランクインした。こちらは19型ワイド液晶が付属する。


 改めて関西圏の1-5位を見ると、ほとんどがディスプレイ別売りモデルだ。関東圏との違いに驚く。関西圏10月のデスクトップPCのタイプ別販売台数シェアを見ても、一体型が35.1%、対してタワー型のディスプレイ別売りモデルは44.4%という結果に。関西圏ではとにかくタワー型(ディスプレイ別売り)の人気が高い。


 しかし、PCとして使うにはディスプレイは欠かせない。ここで考えられるのは、「既に持っているディスプレイを使う」「ディスプレイを別に購入する」の2通りだろう。前者はディスプレイ代がかからないので、かなり安上がりだ。では後者の場合はどうだろう。関西圏10月のタワー型PC(ディスプレイ別売り)の税抜き平均単価(以下同)を見ると、6万9313円。続いて液晶ディスプレイの平均単価を見ると2万6049円となっており、両方買っても9万円半ば程度で済む。対して一体型の平均単価は14万9829円。ということは、本体とディスプレイを別に買った方が5万円以上安く済むのだ。これはあくまで平均的な価格での計算だが、それでも関西圏の人が安さを追求するのは間違いないようだ。(BCN・武井美野里)



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