BCN、大型テレビにも景気後退の影響――どうなるデジタル家電の年末商戦

特集

2008/11/07 11:56

 BCN(奥田喜久男社長)は11月6日、都内で会見を開き、全国の大手家電量販店から収集している実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、直近のデジタル家電需要の動向について発表した。BDレコーダーやミニノートPCといった新たな製品が需要をけん引する一方、薄型テレビが金額で前年割れするなど、景気後退の影響が出始めていることを明らかにした。

薄型テレビ、40型以上の大型モデルの伸び悩みが顕著



 薄型テレビの販売金額前年同月比は、08年10月で98.2%と前年割れ。液晶が99.6%、プラズマが90.9%でともに前年を下回った。プラズマは、07年9月-08年10月の間は、ほぼ毎月前年割れで推移していたが、液晶も9-10月の2か月で大きく落ち込んでいる。

 特に、これまで大型化をけん引してきた40型以上50型未満のサイズは踊り場にきている状態。50型以上も、販売金額の前年同月比が、9月は90%、10月は88.6%と、薄型テレビ全体で2か月連続の2ケタ減になった。

 大型モデルの伸び悩みについて、BCNの田中繁廣チーフアナリストは、「40型以上の価格が高止まりしており、30型以上40型未満との差が縮まらないことが原因のひとつ。大型テレビの不振は、金融不況がデジタル家電需要にも影を落とし始めた先触れとみられる」と語った。


PC、ミニノートPCが需要をけん引、今後はA4ノートと競合する恐れも



 続いてPCは、ミニノートPC(液晶サイズ10.2インチ以下のノートPC)が需要をけん引し、8-10月の販売台数の前年同月比でそれぞれ120%を超えた。反面、PC全体の単価はこの1年で23%下落。金額では一転して前年を割った月が目立つ。

 ミニノートPCの販売台数構成比は、10月にノートPC全体の25%に拡大。画面サイズは当初の7インチから急速に大型化が進み、直近4か月では主流が8.9インチにスイッチしている。「今後はミニノートPCの大画面化と高機能化が進み、A4のノートと競合していく可能性も高い」(田中チーフアナリスト)。


レコーダー、BDは本格普及期に、年末商戦で全体の7割に届く見通し



 レコーダーの8-10月の前年同月比は、今年半ばの急成長に比べて台数は115%、金額は135%前後で伸びが止まってきたものの、年末商戦も2ケタ成長は維持できる見通し。10月のレコーダー全体に占めるBDレコーダーの比率は、台数で47.6%、金額で65.3%まで拡大している。平均単価は10万5000円と、1年で25%下落し、本格的な普及期に入ったとみられる。

 10月現在、BDレコーダー市場はソニー、シャープ、パナソニックの3社で台数の98.5%を占め、シェアを争う状態。そのなかで9-10月は、パナソニックが頭ひとつリードしている。道越一郎アナリストは、「BDの単価が下がってきたこともBDレコーダー普及を後押ししている。年末商戦ではBDレコーダーの金額構成比が7割に届くのでは」と語った。


デジタルカメラ、差別化が図れずコンパクトが苦戦、一眼は伸びを回復



 デジタルカメラの前年同月比は、10月に台数・金額とも前年割れ。特にコンパクトは、金額の2ケタが続いている。一方、一眼レフは、フルサイズの撮像素子や動画機能を搭載したモデルが登場するなどで勢いがあり、台数・金額ともに20%以上の伸びに回復した。「今後は、機能が横並びになってきたコンパクトに代わり、エントリーからプロ向けまで視野が広がる一眼レフが需要のけん引役になるだろう」(道越アナリスト)とした。



*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。