手持ちで夜景もOKなデジカメ、カシオ「EX-Z300」の実力を試した

レビュー

2008/11/04 11:00

 カシオ計算機が8月に発売した「EXILIM ZOOM EX-Z300」。人の肌を美しく補正する「メイクアップモード」の搭載で話題を呼んだデジカメだ。確かに話題性があるのだが、この機能だけが一人歩きし、カメラとしての基本機能の面はあまり語られていない。そこで、今回のレビューでは「メイクアップモード」以外に追加された2つの新機能を試してみた。

生まれ変わった映像回路「EXILIMエンジン3.0」の真価とは



 「EX-Z300」は、1/2.3型の有効1010万画素CCDや、35mm換算で28-112mmの光学4倍ズーム、CCDシフト式の手ブレ補正機構などを搭載する。「夜景」や「夕日」といったシーンに合わせて最適な設定してくれるベストショット機能も搭載し、カメラ初心者でも手軽に撮影が楽しめるモデルだ。

EXILIM ZOOM EX-Z300

 ただし、このスペック、実は前モデルの「EXILIM ZOOM EX-Z200」とほぼ同じ。シャッタースピードやISO感度に若干の違いはあるものの、画素数や光学ズーム倍率に関しては変化していない。では「EX-Z300」の最大の進化は何かというと、新開発の画像処理モジュール「EXILIMエンジン3.0」を搭載した点だ。

 「EXILIMエンジン3.0」は通常のCPUに加え、高速な画像処理が可能な専用CPUを組み合わせ、より複雑な処理が可能になっており、「メイクアップ」機能もこの新エンジンで実現した機能。しかし「EXILIMエンジン3.0」搭載による新機能はこれだけではない。夜景や逆光のシーンで、自動で手ぶれの抑制や明暗のバランスを設定できる2つの機能、「ライティング撮影」と「手持ち夜景撮影」も加わっている。

 「ライティング撮影」は、逆光で顔が暗くなってしまう時や青空が白く飛んでしまう時などをカメラが判別して、明暗のバランスを最適化し、自然な階調再現ができる機能。一方、「手持ち夜景撮影」は、三脚を使わずに夜景を撮る際、手ブレしやすい状態をカメラが認識し、手ブレを補正しながら明るく綺麗な写真が撮れる機能だ。

 そこで、この「ライティング撮影」と「手持ち夜景撮影」を実際に試してみた。撮影に際しては全ての写真をオートモードで、フラッシュはオフ。二段階で設定できる「ライティング機能」は強めの「エクストラ」に設定して撮影した。

空は青々、陰は明るく――ライティング機能お試し



 まずは「ライティング撮影」を試してみようと、近所の神社に出向いて何枚か撮影した。1枚目は道すがら撮ってみた木の垣根。

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 木の連なりがはっきりわかり、奥行きのある写真になった。感心しながら歩いていると境内の前にある門が目に入ったのでついでに撮影してみる。

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 門の手前にある木は、かなり陰になっていたのだが、葉の部分まで明るく写っている。また、個人的には空の描写が、薄くたなびく雲の表情をよく表現していて好きな感じだ。続いて、境内に侵入し、社殿の横にあるイチョウの木を撮ってみる。ちなみにこのイチョウ、主幹とそれを囲む支幹の葉が重なり合う様子から「千本イチョウ」と呼ばれているそうだ。

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 撮影したのは16時前で日が傾きかけていたのだが、あまりそれを感じない青空になっている。実際は青というよりはもう少しオレンジ色がかっていた。これもライティング機能のおかげなのだろうか。勝手に納得しつつ、次はなにを撮ろうかとウロウロしているうちに夕方になり、蚊が発生し始めたためここで一時退散。

三脚なしでもきれいに撮れる? 「手持ち夜景撮影」で夜の街をパチリ



 夜になるのを待って「手持ち夜景撮影」を使ってみようと街に繰り出す。ネオン輝くビルを前にカメラを取り出す。ここでふと、ベストショット機能で「夜景」モードがあるじゃないか、というアマノジャクな考えから、まずはそちらで撮影してみる。すると激しく手ブレしてしまった。ベストショット機能の「夜景」モードは、光を入れるためかシャッタースピードが遅くなる仕様なので、それが原因か。これは三脚ありきの撮影モードなのだろう。

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 真打登場ということで「手持ち夜景撮影」で同じビルを撮ってみたのが下の写真だ。よく見ると若干手ブレしているものの、三脚も使わずかなり適当に撮影したわりには、建物の輪郭は描写できており、我ながらよく撮れたと思う。三脚は持っていないけど、夜景をきれいに撮りたいという場合、「手持ち夜景撮影」は非常に役立つ機能だと感じた。

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 一通り写真を撮影してみて感じたことは、「EX-Z300」は非常に簡単に扱える製品だということ。液晶画面も3.0インチと大型で視認性が高いため、構図を決めやすい。ただ、「ライティング機能」を使って撮影した後、シャッターを押してから画像処理を施すためか、画像が保存されるまでに若干のタイムラグがあるのが気になった。

 しかし、総合的に見て本当に気軽かつ適当にシャッターを押しても、十分にきれいな写真を撮ってくれるカメラだと思う。デジタルカメラというからには面倒な設定は全自動でやってほしい、と考えている人には非常に便利な一台になってくれるだろう。(BCN・山田五大)