地デジが見たい! 薄型テレビを買うだけではみられないことも……

特集

2008/10/15 14:39

 2011年7月24日以降、テレビ放送は地上デジタル放送(地デジ)に切り替わる。地デジは、現在のアナログ放送に比べて画質や音質が向上するほか、ニュースや天気などの文字情報を受信できるようになったり、視聴者参加型の番組に参加することもできる。今回は、地デジをみるために必要な準備を確認しながら、薄型テレビ(液晶やプラズマ)への切り替えと、既存のテレビを生かす方法を含めて紹介しよう。

【連載】リビングのハイビジョン化計画
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薄型テレビのほか、既存のテレビでも地デジは見られる!




 地デジをみるためには、地デジチューナーが入っている薄型テレビに買い替える方法と、既存のテレビに地デジチューナーを取り付けるという方法がある。まずは、薄型テレビに切り替える方法。最近の薄型テレビは、地デジチューナーを搭載している機種がほとんどだが、3-4年前の薄型テレビには、地デジチューナー非搭載の製品もあるので一応確認しておこう。

 また、既存のテレビで地デジをみることも可能だ。外付けの地デジチューナーを購入し、既存のテレビに接続すればよい。テレビ本体はそのままだから、ハイビジョン画質は楽しめないが、アナログ放送のように電波障害が少ないぶん映像はきれい。地デジチューナーは、1万5000円くらいの低価格な製品もあるので、あまりお金をかけたくないという人にお勧めだ。

 また、地デジチューナー付きのDVDレコーダーを既存のテレビに接続して地デジをみることもできる。録画もできて一石二鳥だ。最新のブルーレイディスクレコーダーでなければ、5-6万円くらいでも買える。

 既存のテレビを生かす場合に注意したいのは、画面に映る映像のサイズ。地デジは、画面サイズが16:9のワイド画面に合わせて映像を作っているため、ブラウン管などの4:3の画面サイズのテレビでみると、上下の映像が切れてしまうこともある。

見落としがちな「アンテナ」



 意外と見落としがちなのが、アンテナの存在。薄型テレビに買い替えたり、既存のテレビにチューナーを接続すれば、すぐに地デジがみられるとは限らないのだ。地デジ用の「アンテナ」が必要になる。

 地デジをみるために必要なアンテナは、「UHFアンテナ」。自宅が一戸建てなら、アンテナがUHF対応かどうかをチェックしよう。UHFアンテナが付いている場合でも、地デジに対応していない場合もあるので注意が必要だ。

 さらに、アンテナの向きも確認しよう。アンテナはテレビ塔の方角に向いていないといけない。地デジになってアナログ放送とは違うテレビ塔で電波を送信している地域もあるので、その場合は、アンテナの向きを調整しなければならない。詳しくは「社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)」に問い合わせたり、近くの家電店で相談してみるとよい。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、住宅の共同アンテナが地デジに対応しているか、管理組合や不動産会社に問い合わせを。


ケーブルテレビなどで地デジをみる方法も



 そのほか地デジチューナーやUHFアンテナが無くてもケーブルテレビなどで地デジをみる方法もある。すでに、自宅でケーブルテレビをみている人は、地デジをみることもできるので、詳しくは現在みているケーブルテレビ局で確認できる。

 この際、新たにケーブルテレビに加入して、地デジと合わせて多チャンネルも楽しみたいという人も問い合わせてみよう。

 Dpaによると、地デジ移行に便乗した悪質商法や国や自治体を装った架空請求などの詐欺被害が報告されているという。訪問販売でのアンテナ工事の勧誘や、工事費用を先に請求される場合などは注意が必要。また、国や自治体が国民に工事費用を直接請求することはないので、怪しいと思ったら、Dpaや国民生活センターに相談したほうがよい。

デジタル放送の種類
  地上デジタル
放送
BSデジタル放送 110度CS
デジタル放送
特徴 現在のアナログ放送に代わる放送方式。無料 BS放送のデジタル版。一部有料 東経110度の位置にある衛星を利用した放送。 有料
放送局 NHKおよび各地域の民放局 NHK、WOWOW
など12局
ザ・シネマ、MTV
など70局以上
放送内容 アナログ放送と同じ 地上波の再放送や映画など。 特に海外ドラマが人気 映画やスポーツなどの専門チャンネル

 地デジをみるためには、アンテナを確認した上で、地デジチューナーを内蔵したテレビか、既存のテレビに外付けチューナーや地デジチューナー内蔵のレコーダーを取り付けてみる方法があるわけだ。次回は、「リビングのハイビジョン化」に向けた第一歩に、薄型テレビを紹介する。(BCN・田沢理恵)