ジャングル、動画変換ソフトの品揃え強化

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2008/07/16 16:20

 ソフト開発のジャングル(高田晃子社長)は、動画変換ソフトのラインアップを強化する。iPodやPSP、携帯電話などモバイル機器での動画視聴の需要拡大に応える変換ソフト製品を増やすことで売り上げの拡大を狙う。これまでパソコンでの利用を前提にした動画変換ソフトを開発してきたが、「外出先や移動中に動画を見たい」というユーザーの要望に応える。ユーザーが急増している動画投稿サイトへの対応も検討する。

 動画を扱うソフトは“編集”に重点が置かれ、“変換(エンコード)”は付随的な機能であることが多かった。家庭用ビデオカメラで撮影した家族や子供の映像を、編集してDVDに記録する用途が従来の典型的な用途であったことも影響している。しかし、近年では動画投稿サイトが爆発的にヒット。動画の閲覧が可能な携帯プレイヤーや携帯電話、ゲーム機などのデバイスが増えてきた。こうした市場の変化を受けて、ジャングルでは動画変換ソフトの品揃えを強化する。

 現在主力とする変換ソフトは7月3日に発売した「MovieGate 3」。大容量の動画データを扱う高機能版で、価格は1万8375円と変換ツールとしては高額だ。2005年の初期バージョンから数えて累計1万5000本を販売したヒットシリーズであるものの、ユーザーニーズに応えるには、「モバイル対応など特定機能の切り出しが必要」(竹本圭輔・プロダクトマネージャー)と判断した。

 第一弾としてiPod、携帯電話、PSPで再生可能な動画変換に特化した「MovieGate 3 Mobile」を7月25日に発売する。機能を限定させることで価格を半額に近い1万290円に抑えた。今後は、例えばYouTubeやニコニコ動画など動画投稿サイトから動画をダウンロードし、モバイル端末で閲覧できる変換ソフトの開発を視野に入れる。また、iPhoneなど特定の機種に特化し、価格をより抑えたタイプなどの製品化も検討する。

 DVDやBlu─rayなどに対応した大容量データを編集・変換する需要は依然としてある。だが一方で、動画投稿サイトやモバイルなど小さなデータ容量でも高精細に映像を映し出す技術が進展。さまざまなデバイスで高品質の映像を気軽に再生したいというニーズが若者を中心に広がっている。DVD技術にこだわりを見せるユーザー層は40?50代が中心なのに対し、動画投稿やモバイルでの視聴に興味を示すのは20?30代の比較的若い層が多いと同社では分析する。

 これまで十分に取り込めていなかった若年層の需要に応えることで、拡販を目指す。モバイル版を含むMovie Gateシリーズ全体で今後1年間に5?6万本を販売する目標を掲げる。


週刊BCN 2008年7月14日付 Vol.1243より転載