インテルは4月2日、インターネット端末など携帯機器向けの超小型CPU「Atom(アトム)」とAtomを中心にした半導体セット「Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」を発表した。消費電力が小さく、PC用向けWebサイトの閲覧ができるようソフトウェアの互換性にも配慮したのが特徴。夏以降、パソコンメーカーなどが搭載端末を順次発売する予定。会見で吉田和正・共同社長は「Atomで新しいインターネット体験とブロードバンドサービスを広げていきたい」と意気込みを述べた。

 Atomは同社最小のCPUでサイズは縦13×横14mm。4700万個のトランジスターを搭載しながら個々のサイズを世界最小に抑え、小型化を実現した。動作周波数別に800MHzから1.86GHzまでの5種類をラインアップ。設計段階から見なおすことで、消費電力は平均で160-220mW、アイドリング時電力は80-100mWと「当社で最も消費電力の低いプロセッサー」(土岐英秋・インテル技術部長)を実現した。吉田共同社長は「高性能、低消費で環境にやさしい『エコ・プロセッサー』だ」と自信をみせた。


 一方、半導体セット「Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」はCPUのAtomと周辺チップなどで構成。中核になるチップは、メモリーコントローラやIOコントローラを1つに統合した「インテル システム・コントローラ・ハブ」。グラフィック機能では3Dをはじめ、1080iのハイビジョン映像の再生に対応する。また、製造工程では鉛とハロゲンを使わず、環境にも配慮した。そのほか、無線機能チップなども提供。無線機能では無線LAN、Bluetooth、WiMAX、「HSDPA」などの3.5世代携帯電話に対応する。

 発表会では無線通信機能で協業するNTTドコモ、QUコミュニケーションズ、ウィルコムの関係者が出席。NTTドコモの青山幸二・プロダクト&サービス本部ユビキタスサービス部長は「Atomを搭載した様々な機器が製品化され、当社のサービスを利用してもらい、新しいユーザーを広げていきたい」と述べた。


 QUコミュニケーションズの片岡浩一・執行役員副社長は「当社が行うWiMaxはインテルのCPUの性能を最大限に使うことができる」と強調。ウィルコムの喜久川雅樹社長は「新型CPUを使った端末を近々に発表する。また次世代PHSの端末でも導入してく」と意気込みを述べた。

 さらに会場では、クラリオンや松下電器産業、富士通、東芝などからAtomとCentrino Atom プロセッサー・テクノロジーを採用した機器も同時に発表した。

 クラリオンは、インターネットに接続できるポータブル型のカーナビ「MiND Mobile Internet Navigation Device」を展示した。日本での発売は未定だが、米国では今秋にも発売する。CPUは800MHzのAtomを採用。

メモリは512MB、記憶媒体には4GBのSSD、OSはLinux、通信機能には無線LAN、Bluetooth、WiMAX、3Gに対応する。ラインアップは、通信機能が無線LAN、Bluetoothの「スタンダード」、カメラ付きで無線LAN、Bluetooth、WiMAX、3Gに対応した「プレミアム」の2つ。価格は7-8万円程度を想定している。

 また、松下電器産業は業務用端末「タフシリーズ」を発表した。CPUの周波数、メモリ、記録媒体、通信機能は非公開。OSにはWindows Vista、XPを搭載する。業務用のため受注個数によって価格は異なるが、30万円前後を想定している。


 NECではタッチパネル式のディスプレイ一体型端末「パネルコンピュータ」を展示。メモリは512または1GB。記憶媒体用スロットを設けており、コンパクトフラッシュ(CF)かHDDを選ぶことができる。CFの場合は1または4GB、HDDなら80GB。OSはWindows Vista、XP。

飲食店などでの注文端末などでの利用を想定した端末で、12型と15型のディスプレイサイズをそろえる。今夏に発売する予定で、価格は15インチモデルで20万円程度を見込む。