手軽に音声を記録できるICレコーダーは、会議や商談の録音をはじめ重要なビジネスアイテムの1つ。容量の増加やPCとの連携など一層の改良が加わり、より手軽で身近なデジタル製品となった。そして、各メーカーは競うように録音・再生時における音の品質を追求。最近では、CDの音質を上回るワンランク上のモデルが登場し売り場を賑わしている。

●高感度・高音質にこだわった各社の最新モデル

 録音機器としての利便性を追求してきたICレコーダーは、よりコンパクトになり、長時間の録音もできるようになった。簡単な録音を目的としたベーシックな使い方であれば、どのモデルも十分に満足できるレベルにある。そのなか最新モデルを選ぶポイントになるのは、使う目的とシチュエーションを考え、必要な機能を見極めることだ。

 オリンパスの「VoiceTrek DS-60」は、広範囲な周波数帯域に対応し、より原音に近い音声記録を実現した。さらに、新開発の高性能マイクユニットの採用で、周囲の雑音を低減した指向性モードにも対応する。会議室などの広い場所やノイズの多い場所でも、聴き取りやすいクリアな音声で録音したい人にオススメなモデルだ。

 また、松下電器産業の「RR-US950」は、内蔵する3つのマイクで拾いたい音声をしっかり録音できる「4倍ズームマイク」を搭載。講演会など離れた場所から録音することが多い人には便利だ。また、ビジネスにも役立つセキュリティ機能を搭載。録音した音声やメモリ内のデータをパスワードで守ることができる。


 ソニーの「ICD-SX88」は、WMA、MP3といった一般的な録音ファイル形式ではなく、独自の「LPEC」録音形式を採用。CDに迫る高音質で録音ができるほか、ステレオと単一指向性の切り替えも自在な大口径・高感度マイクを搭載する。スタンドを付属するので、机などの振動が本体に伝わるノイズを低減できる。会議などで机の上で録音する用途が多いユーザーにオススメだ。

 三洋電機の「DIPLY TALK ICR-PS390RM」は、音声データを圧縮せずに記録する高音質のリニアPCM録音機能を備え、8GBの大容量を搭載する。ビジネスから音楽などの趣味の領域まで、まさにあらゆる用途に対応できる。

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 最新モデルの容量は1GB以上が主流。1GBの容量であれば、最上位の高音質ステレオモードでも約17時間の録音ができる。音質を落とせばさらに長時間の録音も可能だ。容量(=録音時間)と値段を天秤に掛けながらモデルを選ぶといいだろう。このほか、PCとの接続に便利なUSB端子や、語学学習に役立つリピート再生など再生機能の有無もチェックしよう。もちろん、携帯オーディオとしても使える音楽再生機能も便利な機能の1つなので、是非確認したい。

●CD作成にも使えるリニアPCM対応モデルも注目!

 リニアPCM録音対応のICレコーダーは、ビジネス用途というより主に音楽制作などプライベートでの使用を目的としたハイスペックモデル。昨今の中高年バンドブームを受けてか、団塊の世代を中心に人気を集めている。一般的なICレコーダーが採用するMP3ファイル形式ではなく、CDやDATテープの音質を超えるハイクオリティな音で録音ができる非圧縮形式のリニアPCM録音ができるが特徴。つまり、原音に近い音で録音できるのだ。本体サイズは一回り大きくなるが、胸ポケットに入る程のサイズなので持ち運びも容易。

 ローランドの「R-09HR」は、量子ビット数24bit/サンプリング周波数96kHzのリニアPCM録音に対応する。バックエレクトレット・コンデンサー型の高性能ステレオマイクを搭載し、入力レベルを自動で調整する「アナログ・リミッター」や「AGC」の2つの録音機能を備える。また、リモコンを同梱するので、離れたポイントでの操作も可能。記録メディアは、外部メモリのSD/SDHCメモリカードを使用する。


 ソニーの「PCM-D50」は、可動式のエレクトレットコンデンサーマイクを搭載。至近距離での録音に最適な「X-Yポジション」と、広い場所で録音に適した「ワイドステレオポジション」と異なる2つの集音範囲で録音が可能。録音形式は24bit/96kHzのリニアPCM。4GBの内蔵メモリを搭載し、メモリースティック Duoを使った容量の増設も可能。

 オリンパスの「LS-10」は、リニアPCMとMP3、WMA3つの録音形式に対応する。約165gのコンパクトなボディとスリムな筐体が特徴的。電源に単3アルカリ電池2本を使用し、約12時間の長時間録音ができる。また、2GBの内蔵メモリと、SDカードスロットを装備する。


 リニアPCMレコーダーは、オリジナル演奏を録音してCDを作成したり、自然観察などの録音アイテムとして活用するなど、多彩な使い方ができる。価格も4-5万程度で手頃だ。ワンランク上の音質で録音や再生を楽しみたいなら、選択肢の1つに加えてみるのもいいだろう。(オフィス・トム 石川貢士)