コントローラー新時代、進む専用化でゲームごとに使い分けるスタイルへ

特集

2008/03/21 01:38

 「定番商品」が強いPC用のゲームコントローラーだが、突発的に大きなシェアを獲得する「新星」も増えている。最近ではロジクールの「GPX-500MHF」が1月30日の発売日から急激にシェアを伸ばし、いきなりトップの座を獲得した。その人気の秘密は最後の3文字「MHF」。「BCNランキング」でゲームコントローラーの新しい流れを探った。

●最大瞬間風速のウラにはあの人気ゲームが

 「GPX-500MHF」は、発売された1月30日の週(1月28日-2月3日)に販売台数シェア22.2%を記録して、いきなり1位を獲得。次週以降は9.6%、7.5%、7.4%と徐々にシェアを落としながらも4週にわたって1位を維持した。この結果、2月の月間集計でも8.7%のシェアを獲得して、販売台数シェアトップに立った。


 爆発的な瞬発力を発揮してトップの座を獲得した「GPX-500MHF」は、ゲームコントローラーにしては比較的高価な製品だ。ランキング上位に位置する他の製品はおおむね1000円から2000円台だが、3月19日にBCNが集計した「GPX-500MHF」の市場推定価格は3400円(以下同)。人気が急上昇したのにはそれなりの理由がありそうだ。


 実は「GPX-500MHF」の「MHF」とは人気オンラインゲーム「モンスターハンター フロンティア オンライン」の略。「GPX-500MHF」は「モンスターハンター フロンティア オンライン」の最新作で1月30日発売の「モンスターハンター フロンティア オンライン シーズン2.0 プレミアムパッケージ」に合わせて発売された推奨ゲームコントローラーなのだ。

 「MHF」用にボタン設定を最適化し、同梱するソフトを使用すれば、ボタンのカスタマイズ、スティックのキャリブレーション、フィードバックの強さなども設定できる。さらに、コントローラーの振動機能で、「モンスターハンター」の醍醐味である「狩り」の臨場感を味わうことができるという、まさにMHF専用のコントローラーだ。

 また、入力するとゲーム内で使用できるオリジナル防具「ロジウェアシリーズ」が手に入る「イベントコード」も付属するのも魅力だ。初期状態での防御力は36、スロット数は5で「調合成功率+30%」「精霊の気まぐれ(ピッケル、虫あみ、笛の壊れる確率が下がる)」といったスキルが付いている。

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 「MHF シーズン2.0 プレミアムパッケージ」と「GPX-500MHF」を一緒に購入するユーザーも多かったのではないだろうか。試しに、同時期のPCゲーム販売本数シェアと比較してみたところ、ゲームコントローラーの場合とよく似たシェア推移が見てとれた。

●いまやコントローラーはゲームで選ぶ時代なのか

 先述のように、「モンスターハンター フロンティア オンライン シーズン2.0 プレミアムパッケージ」の発売日は「GPX-500MHF」と同じ1月30日。やはりというべきか、発売直後の1月第4週(1月28日-2月3日)以降、「GPX-500MHF」と同じように販売本数シェアが推移している。同時購入を見込んで「GPX-500MHF」をゲームソフトと同日に発売したわけだが、その狙いは見事に当たったわけだ。


 特典をつけた推奨ゲームコントローラーをソフトと同日に発売するという売り方は、「MHF」ファンにはおなじみのものかもしれない。実は07年6月発売の「モンスターハンター フロンティア オンライン プレミアムパッケージ」にも、同様に「イベントコード」が付属した推奨コントローラーが存在する。防具「くろねこ服」が入手可能なエクサーの「EX0016」だ。やはり発売直後の07年6月第2週に販売台数シェア24.2%でトップを獲得している。


 また、最近ではコントローラーに限らず、PC自体も何らかのPCゲームの推奨モデルとして販売しているケースもある。こういった、推奨モデルを強調した売り方というのは家庭用ゲーム機ではあまり見られない、PCゲーム特有のもの。家庭用ゲーム機向けに販売されるハードでは、コントローラーというより、フィットネスソフト用の「Wii Fit」のような拡張機器的な性格のものが多いからだ。


 ゲームコントローラーは通常、一度買ってしまうとなかなか買い替える機会は少ない。そこで、推奨グッズとして販売し、何らかの特典をつけることで売り上げを伸ばす狙いがあるのだろう。また、それぞれのゲームに特化した機能を多く加えることでゲーム別に使い分けてもらい、複数のコントローラーを売ろうという戦略もありそうだ。実際に、2月の月間ゲームコントローラー販売台数ランキングを見てみると、上位を占めている製品はほぼすべて何らかのゲームの推奨コントローラーだった。こうした周辺機器の売り方は、新しい流れなのかもしれない。(BCN・山田五大)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで119品目を対象としています。

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