伸びるフォトプリンタ、手軽さ受け、PC要らずのバッテリ駆動モデルが人気

特集

2007/11/14 01:21

 デジカメやケータイで撮った写真をその場ですぐに印刷……そんな楽しみを提供するのが「フォトプリンタ」。バッテリ駆動モデルなら「どこでも写真屋さん」が簡単に実現する。もちろん、PCは必要ない。あちこちで聞かれる紅葉の便りに誘われて、出番が増えそうな日曜写真家にもオススメだ。そこで、このところ俄然人気が出てきた「フォトプリンタ」の売れ筋を、「BCNランキング」でまとめた。

●写真補正機能は逆光補正だけじゃない 1位は「小顔」と「美白」補正搭載

 L判や2L判といった、一般的な写真サイズの印刷に特化したプリンタを、BCNではフォトプリンタと分類している。A4サイズまで印刷できるプリンタと違って、小型で手軽に利用できるのが特徴だ。直近の売れ筋をみると、11月第1週(11月5?11日)で1位を獲得したのはエプソンの「Colorio me:(E-520)」。販売台数シェアは16.1%だった。11月12日時点でBCNが集計した市場推定価格(以下同)は2万2800円。被写体の顔を判別し、自動的に逆光や色カブリを補正する機能や、小顔・美白補正を施してくれる「ナチュラルフェイス」機能などを搭載する。電源はACアダプタのほか、別売のバッテリを使用することも可能。手軽に持ち出せるので、撮ったその場でプリントして楽しむこともできる。

 プリント時間はL版1枚あたり30秒。印刷可能な用紙サイズはL判・はがき(89×127mm)/ハイビジョン(102×181mm)/KG(102×152mm)/カード(54×86mm)。カメラを直接プリンタにつないで印刷できる「PictBridge」のほか、SDカード、メモリースティック、コンパクトフラッシュ(CF TYPE II)などのカードスロットを備える。SDカードの上位規格で大容量が特徴の「SDHCカード」にも対応する。


 2位と3位はカシオの「プリン写ル(PCP-200/1000)」シリーズがランクインした。シェアは12.1%と10.6%。推定価格は3.5型の液晶を搭載する下位モデル「PCP-200」が同3万8300円、7型ワイド液晶の上位モデル「PCP-1000」が同4万8100円。両モデルともPCとは連携しないが、キーボードを搭載し、はがきの文面や宛名の入力・印刷が可能だ。写真を使ってオリジナルカレンダーを作ることもできる。メモリカードはSD/SDHCカード、メモリースティックなどに対応。用紙サイズはL判、2L判(127×178mm)など。なお電源はACアダプタ使用のみだ。


 4位にはキヤノンの「SELPHY(ES2)」がシェア8.9%で入った。推定価格は2万3100円。上位3モデルとは異なり、印刷の方式にインクジェット型ではなく昇華型熱転写方式を採用している。印刷の最後にオーバーコートを施すので指紋や水濡れに強いのが特徴。紙とインクを1つのカートリッジ「イージーフォトパック」にまとめることで、インクと紙の交換が簡単に行える。印刷コストはL判1枚あたり26.3円。1位の「E-520」と同じく、別売のバッテリで使用できる。対応メモリカードは、SD/SDHCカード、メモリースティックなど。

●フォトプリンタの2つの方式、昇華型熱転写とインクジェットの違いは

 フォトプリンタには、昇華型熱転写方式とインクジェット方式の2種類がある。昇華型熱転写方式は、フィルム状のインクを熱で気化させて転写するのに対し、インクジェット方式は、インクの微小な「点」の集まりで画像を表現して印刷する。一昔前の解像度が低いインクジェットプリンタだと、「点」が目立ってしまい、写真印刷には向かないとされていた。しかし最近のモデルでは十分な解像度があり、美しい写真プリントを得ることができる。昇華型熱転写方式の「ES2」やインクジェットの「mini360」など両方式のフォトプリンタを販売しているキヤノンでは、「どちらの方式のモデルでも十分に高画質。違いがあるとすれば『オーバーコート』と『用紙の自由度』」(広報部)としている。

 「オーバーコート」は昇華型熱転写方式のプリンタが写真印刷の最後の工程で用紙に施すフィルム処理のこと。指紋などの汚れや水濡れ、色あせなどを防いで写真を長持ちさせることができる。このオーバーコートを施す仕様のため、昇華型熱転写方式プリンタはL判までにしか対応しないモデルが多い。用紙の種類も限られており、プリンタによっては専用紙しか使用できない場合もある。インクジェットの場合はサイズもL判だけでなく大型の2L判やはがきプリントにまで対応したモデルがあり、用紙の選択の幅が広い。

●A4プリンタよりもフォトプリンタで手軽に印刷、PCもいらない!?

 今回のランキングで注目したいのは、2位と3位に入ったカシオの「プリン写ル」。PCとの接続機能はいっさい搭載しないで本体のみで操作ができるのが特徴だ。徹底的にシンプルにすることで、プリント機能がよりわかりやすくなった点が評価されたと考えられる。他のフォトプリンタは本体のみでのプリントに加え、PCにつないで利用することもできる。汎用性が高いものの初心者にはわかりにくい印象を与えているのかもしれない。


 ところで、07年5月?10月の半年間でプリンタ市場全体の対前年比をみると、販売台数で93.4%、販売金額で89.9%と前年割れの水準にとどまっている。しかしフォトプリンタに限ると、台数で105.9%、金額で114.9%と、前年を上回る水準で堅調だ。同じくデジカメ市場の前年比も販売台数で106.3%、金額で101.2%と伸びていることもあり、手軽なフォトプリンタを使ってデジカメ写真のプリントを楽しむ人が増えている、とみることもできそうだ。せっかく撮った写真もPCに保存してメールで送るだけではもったいない。バッテリ対応のモデルなら外にだって持ち出せる。フォトプリンタで手軽に撮ったその場でプリントができる楽しみを味わってみてはどうだろうか。(BCN・岡本浩一)



*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など23社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


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