パナソニック モバイル、VIERAケータイで「シェアトップ奪取」を宣言

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2007/11/06 16:03

 パナソニック モバイルコミュニケーションズは11月5日、NTTドコモ向けの最新端末「P905i」を中心とした新製品説明会を開催した。会場には同社の脇治社長が登場し、「携帯電話市場でトップシェアを目指したい」と抱負を述べた。



 同社は、ドコモ向けに07年冬モデルとして5機種を供給する。目玉となるのは、松下電器産業の薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」の名前を冠し、「VIERAケータイ」と名づけた携帯電話「P905i」「P905iTV」の2機種。

 「P905i」は3インチワイドVGA液晶を搭載し、ワンセグ受信が可能な折りたたみ型の端末。側面のボタンを押すとディスプレイ部が自動的に立ち上がる「ワンプッシュオープン」と、折りたたみ状態からディスプレイを横に立ててワンセグを横画面で見ることができる「ヨコオープン」の2つのスタイルを採用した「Wオープンスタイル」が特徴となっている。



 ワンセグ視聴向けに、薄型テレビ「VIERA」の画像処理回路を携帯電話向けに開発した「モバイルPEAKS(ピークス)プロセッサー」を搭載。同回路には画面のノイズ除去や周囲の明るさに合わせてメリハリのある映像を表示する画質補正機能、人間が記憶している色を再現する機能を盛り込んだ。

 「モバイルPEAKS(ピークス)プロセッサー」を含む半導体回路には松下が開発したデジタル家電用のシステムLSI「UniPhier(ユニフィエ)」を採用。着うたフルを69時間も連続再生可能な省電力に加え、音声圧縮で失われた高音域を補完する高音質再生を実現した。



 カメラは有効510万画素。テレビに映像を出力して携帯電話向けゲームを大画面で遊んだり、カメラで撮影した画像をスライドショー形式で表示するといったVIERAとの連携も強化した。発売は11月下旬の予定。

 一方、「P905iTV」は、ディスプレイにワンセグ対応端末では業界最大の3.5インチワイドVGA液晶を採用。毎秒15コマのワンセグ映像を補完し、30コマにすることで、なめらかな表示を再現する「なめらかフレーム補間機能」、高感度の受信が可能なダイバーシティアンテナを搭載する。



 高音質スピーカー付きの卓上ホルダも付けるなど、「『大画面』『高画質』『高感度』ではワンセグケータイで業界トップクラスの端末」(星敏典副社長)に仕上げた。カメラは有効200万画素で、1GBのメモリを内蔵しており、約5時間のワンセグ録画が可能。発売時期は08年2-3月の予定。



 「VIERAケータイ」の定義について脇社長は、「VIERAの高画質技術、ワンセグ視聴に最適なスタイル、VIERAとの連携」を条件にすると説明した。パナソニックはこれまでに発売したワンセグ端末「P901iTV」や「P903iTV」には「VIERA」の名前を付けなかったが、今回の「P905i」や「P905iTV」では特に2番目の条件にあたる「スタイル」で、「横画面で手のひらやちょっとした場所における使い方を提案できた」(脇社長)として、「VIERAケータイ」と名づけたという。

 また、「VIERA」の名前を使うことについては「松下本体から何か条件があったわけではなく、自ら高いハードルを設定した」と話した。薄型テレビのブランドを冠した携帯電話は、「AQUOSケータイ」で真っ先に取り入れたシャープをはじめ、ソニーや日立製作所も投入しており、薄型テレビメーカーの携帯電話市場での代理競争が今後、激化しそうだ。



 脇社長は「これまで携帯電話市場が右肩上がりだったこともあり、当社は“受け”の姿勢に入ったことでシェアが落ちていた。しかし、新しいスタイルでインパクトのある『VIERAケータイ』で巻き返し、何としてもトップシェアを取りたい」と意気込みを述べた。また店頭では、「画質が特徴の端末なので、ある程度の実機を店頭に置いてアピールする」と同時に、「店員の推薦は販売効果が大きい。そのため、店の人には徹底的に端末の良さを説明していきたい」と話した。

パナソニック モバイルコミュニケーションズ=http://panasonic.co.jp/pmc/
「P905i」=http://panasonic.jp/mobile/docomo/p905i/index.html
「P905iTV」=http://panasonic.jp/mobile/docomo/p905itv/index.html


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