花王など、「パソコン作業の目の疲れには蒸しタオルが有効」学会で発表へ

ニュース

2007/08/31 16:58

 花王(尾崎元規社長)ヒューマンヘルスケア研究センターと鶴見大学歯学部眼科学講座・後藤英樹准教授は8月31日、VDT(Visual Display Terminal)作業で目が疲労するとピント調節力が低下することを明らかにした。また、約40度の蒸しタオルで目を温めると、こうしたピント調節力の低下やドライアイが改善することを科学的に実証した。

 パソコンを長時間使用するVDT作業を主業務(1日あたり約6時間従事)とする16人を対象に、疲れ目の程度をピント調節力で評価した。その結果、VDT作業によってピント調節力が低下する傾向があると分かった。さらに、休日明け初日の月曜日と週末の金曜日を比較すると、5日間で顕著にピント調節力が低下していた。

 同じ被験者に対し、VDT作業終了後に蒸しタオルで目を温めるという方法がどのような影響を及ぼすかを検討した。その結果、心地よいと感じる約40度の蒸しタオルを目にあてて、3分間(蒸しタオル1本を使用)、もしくは約10分間(蒸しタオル5本を連続使用)温めることで、VDT作業で低下したピント調節力が回復することが明らかになった。また、蒸しタオル使用後の感想を調べたところ、3分間に比べ、10分間と長く温めた方が効果を実感する人が多いことが分かった。

 また、ドライアイと診断される27人を対象に、蒸しタオルで目を温めたときのドライアイ改善効果を調べた。その結果、約40度で3分間温めた場合、改善率は5%程度だったが、10分間温めた場合は36%の改善が認められた。

 こうした実験結果から、VDT作業で目を酷使している実態が明らかになったとともに、疲れ目やドライアイのケアとして、家庭でもできる「蒸しタオルで目を温めること」が有効であることを確認した。実験結果は、07年10月11-14日に京都で開催する日本臨床眼科学会で発表する。

花王=http://www.kao.co.jp/
鶴見大学=http://www.tsurumi-u.ac.jp/