PC版ゲームで大人気のモンハン、「仕掛け」効果で周辺機器にも特需?

特集

2007/08/02 23:00

 夏休みシーズン真っ只中、ゲームソフト市場は今年1番の書き入れ時を迎えている。中でも注目を集めているのが、カプコン初のPCゲームソフト「モンハン」こと「モンスターハンター フロンティア オンライン(MHF)」だ。これまでプレイステーション2とプレイステーションポータブルで展開してきた「モンハン」がPCでも遊べるようになって大人気を博し、賑わいは対応ゲームコントローラー市場にも及んでいる。「BCNランキング」でその概要をまとめた。

●発売から1か月でも1位にランクイン、「息の長いゲーム」



 まず夏休み直前、7月第3週(7月16日-22日)のPCゲームソフトの販売本数シェアランキングを見てみよう。1位はカプコンのオンライン・アクションゲーム「MHF」のパッケージソフト、「モンスターハンター フロンティア オンライン プレミアムパッケージ」で、7.1%の販売本数シェアを獲得した。2位は日本ファルコムの「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd 限定特典版」でシェア3.1%。3位はソースネクストの「FINAL FANTASY XI はじめてのファイナルファンタジーXI」でシェアは2.5%だった。

  7月の月次データで見ると、PCゲームソフト市場は、180社以上のメーカーが、販売する計1700タイトル以上のソフトでひしめく激戦区。それだけに、新タイトルの発売直後は大きなシェアを獲得するものの、すぐに次のタイトルにシェアを奪われる、といった形で、順位の変動がめまぐるしい。



  ところが「MHF プレミアムパッケージ」は、他とは違う強さがうかがえる。発売は、7月5日のオンラインサービス開始に先立つ6月14日。発売週の6月第2週(6月11日-17日)では、実に46.7%ものシェアを獲得し、早々と1位についた。しかし、これは瞬間風速。その後徐々にシェアを落とし、発売から2週間後の6月第4週(6月25日-7月1日)では、シェア9.4%で2位にランクダウンした。この週は日本ファルコムが新タイトル「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd 限定特典版」を発売したばかり。新タイトルにシェアを奪われた格好になった。

   これまでのPCゲームソフトの動きであれば、日本ファルコムの「英雄伝説 空の軌跡」が新タイトルが登場するまで首位を走り、「MHF プレミアムパッケージ」は順位を落としていく、というのがパターンだ。しかし、「MHF プレミアムパッケージ」は翌週の7月第1週(7月2日-7月8日)に、シェア13.6%で1位に返り咲いた。その後、シェアを徐々に落としながらも、いまだ首位の座を守り続けている。強さの秘密には「仕掛け」がありそうだ。

●「MHF」の人気の鍵は特別イベントの参加証「イベントコード」

  「MHF」は、プレーヤーが「ハンター」になり、モンスターを退治するアクションゲーム。ただモンスターを倒していくだけではなく、チームを組んでモンスターを倒すイベントに参加したり、倒したモンスターからアイテムを入手し、装備やレアアイテムを作ったりすることもできる。もちろん、オンラインゲームなので、チャットなどでプレーヤー同士の交流が楽しめるのも特徴だ。

   また、「MHF」をより深く楽しむことができる「仕掛け」として、「イベントコード」と呼ばれるシステムがある。これは、「MHF」の中で発生するさまざまな特別イベントに参加できる「参加証」のようなもの。14桁の英数字からなるコードで、これを入力することでイベントに参加できるしくみだ。

   カプコンはPCメーカーやPC周辺機器メーカー、はてはグリコなどの製菓メーカーなどともタイアップし、それぞれの製品に「イベントコード」をつけるプロモーションを展開している。どうやらこうした幅広い「仕掛け」が受けているようだ。

  例えばグリコの氷菓「アイスの実」や「スパークタイム」に「イベントコード」をつけ、「MHF」内で「イベントコード」を入力すると、「アイスの実」をデザインしたようなハンマー「スリープボール」を入手するイベントに参加できる。イベントをクリアしなければ、レアアイテムを入手できないが、「MHF」を楽しむことができる上に、ちょっと変わったレアアイテムを入手できる。



●対応ゲームコントローラーをランキング1位に押し上げる



   また、PCゲームを快適に楽しむために必要なゲームコントローラーにもこの「イベントコード」が付属した製品があり、人気を博している。7月第3週(7月16日-22日)週次のゲームコントローラーの販売台数シェアランキングでは、エクサーの「モンスターハンター フロンティア オリジナル USB ゲームパッド(EX0016)」が販売台数シェア6.5%で1位を獲得した。6月14日に発売した「EX0016」は、「MHF」推奨のゲームコントローラーで、防具「くろねこ服」を入手するイベントに参加できる「イベントコード」が付属している。



   2位はエレコムの「JC-UM12BR」で、シェアは5.3%。「イベントコード」こそついていないものの、やはり「MHF」の推奨ゲームコントローラーで、面倒なボタン設定をしなくても快適にゲームを始められるのが特徴。



   エクサーの「EX0016」は、発売直後の6月第2週に24.2%、翌週には14.1%と2ケタのシェアを獲得して1位となった。ところが発売から3週間後にはシェアを3.2%に落とし、7月第1週には0.8%まで落ち込んでしまった。

   理由は売り切れ。エクサーでは「品切れとなってしまい、店頭に並べることができなかった」(広報)と説明、同社の直販サイトでも一時販売を中止したという。7月6日に直販サイトの販売を再開し、店頭でも商品が並ぶようになった。そのため、7月第2週以降にはまた1位に復活している。ただ残念ながら、8月2日現在、直販サイトではまた品切れとなってしまったようだ。



   なお、「EX0016」には、「くろねこ服」の「イベントコード」だけではなく、「MHF プレミアムパッケージ」に付属しているイベントコードと一緒に入力することで「どんぐりスティック」をイベントなしに手に入れることができる「イベントコード」も付属している。そのため、「MHF プレミアムパッケージ」と「EX0016」を同時に購入するユーザーも少なくなかったようだ。


●ネットや仕掛けで「つながる」ゲーム、人気はどこまで続く?

   「MHF」は、30日・60日・90日の有料コース制を採っているが、無料で遊べる「トライアルコース」も用意している。また、ゲームプログラムを無料でダウンロードできるほか、「トライアルコース」でも、「スリープボール」や「くろねこ服」を入手するイベントに参加可能。新規ユーザーの取り込みもイベントがらみだ。こうした「仕掛け」をふんだんに盛り込んだゲームソフトが、どこまで人気を維持できるかが、これからのゲームの流れを左右することになりそうだ。(BCN・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。

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