三つ巴のセキュリティソフト、更新料無料と複数台利用、主流はどっちだ!

特集

2007/07/19 22:30

 今やPCの「常備薬」とも言えるセキュリティソフト。このところ利用条件の多様化が急ピッチで進んでいる。更新料を無料にしたり、複数PCにインストールできるようにしたりと、メーカー各社は利用者拡大に躍起だ。これらの中でユーザーに支持されているのはどんなソフトなのか? 「BCNランキング」で、売れ筋の傾向をまとめた。

●更新料無料で人気集める「ZERO」が2か月連続で1位獲得




  このところ人気を集めているのが、ソースネクストの年間更新料無料ソフト「ウイルスセキュリティZERO (新パッケージ版)」だ。「BCNランキング」の月次販売本数シェアでは、5月が20.0%、6月が20.2%で、2か月連続して1位を獲得した。

  ウイルスやスパイウェアなど、複数の不正プログラム侵入を防ぐ総合セキュリティソフト「ウイルスセキュリティ」から1年間という利用期限をなくしたもので、対応OSの公式サポートが終了するまで検知・駆除データの更新ができる。なお、マイクロソフトのオフィスソフトパッケージに合わせ、パッケージの厚さなど一部デザインを変更したのが「新パッケージ版」。07年4月から発売している。

  また、PC初心者でもインストールしやすいよう「自動インストール」機能を搭載。ソフトのインストールだけではなく、アップデートも自動で行うため、特に操作しなくても、常に最新の状態で利用できる。

 6月のランキング2位は、トレンドマイクロの「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ 優待 1年版 Vista対応」で、販売本数シェアは13.6%。スパイウェア対策、迷惑メール対策、フィッシング詐欺対策、ファイアウォール対策などの機能を備え、1ライセンスでPC3台までにインストールできるのが特徴。

  ただし、1ライセンスの範囲で利用できるのは「同一個人、または同一世帯」のPCに限られる。法人での利用や、他人とのシェアは原則できない。また、ホームネットワーク機能を搭載し、同一ネットワーク上に存在するすべての「ウイルスバスター」をリモートで管理することができる。

  なお、「優待」とは、他社のセキュリティソフトや同社の評価版、プロバイダーのセキュリティサービスから「ウイルスバスター」へ乗り換えるユーザーを対象にした「優待版」。

 4位はシマンテックの「ノートン 360」で、シェアは9.5%。ウイルス対策、スパイウェア対策機能のほか、データの「バックアップ・復元」機能と、PCの状態を最適化する「PCチューンナップ」機能を加えた、新しいコンセプトの統合型パッケージ。

  「バックアップ・復元」機能では、バックアップファイルを現在使用しているPCのHDDや、DVDなどに保存できるだけではなく、同社が無料で提供する2GBの「オンラインストレージ」にも保存できる。保存可能期間は「ノートン 360」と同様、1年間。このほか、1ライセンスでPC3台までインストールすることも可能。


●競争が激化するセキュリティソフト市場 三つ巴の様相に……

  セキュリティソフトといっても、複数の機能を盛り込んだ総合セキュリティソフトからウイルス対策だけに機能を絞ったものなどさまざま。07年6月の月次データでは、セキュリティソフトを販売しているメーカーも40社ほどにのぼっている。とはいえ、上位の3社で市場の8割以上を占めているのが現状だ。トップは、32.0%のシェアを占めるシマンテック。2位が26.9%のソースネクスト。1.1%差の25.8%でトレンドマイクロがこれに続く。



  3社の力関係はこの1年で微妙に変化している。06年8月時点では、1位が39.2%でシマンテック、2位が26.8%でソースネクスト、3位が24.4%でトレンドマイクロと、順位は今と同じだった。7月に「ZERO」を発売したばかりのソースネクストが勢いに乗っていた時期だ。



  しかし翌月の9月、トレンドマイクロが1ライセンスで3台のPCにインストールできる「ウイルスバスター2007」を発売し、ソースネクストを抑えて2位にランクインした。その後、逃げるトレンドマイクロをソースネクストが激しく追う展開になったが、07年5月、前月に「ウイルスセキュリティZERO」の新パッケージを発売したソースネクストがトレンドマイクロをなんとか追い抜き、2位に浮上。2か月連続で2位の位置を守った。しかしまたトレンドマイクロに抜き返されそうな気配で、まさにデッドヒートを繰り広げている。

   この2社が激しい攻防戦を繰り広げている一方で1位をキープしているシマンテックだが、今年に入りシェアが下降している。06年8月には40%近かったが、07年2月には32.9%と7.1ポイントもシェアを落とし、その後も32-33%前後で推移している。この影響で2位との差も縮まった。06年8月には14.8ポイントあった差が、07年6月には6.2ポイントまで接近。これまで不動の首位を維持してきたシマンテックだが、予断を許さない状況になってきた。

●「年間更新料無料」VS「1ラインセンスで複数台」、軍配はどちらに……?

  セキュリティソフト市場のシェア争いがここまで激化した要因は、ソフトの販売形態が変化したことにある。これまでセキュリティソフトは1ライセンスでPC1台まで、1年間利用できる、というのが「常識」だった。しかし、06年7月の「ZERO」を皮切りに、「ウイルスバスター」、シマンテックの「ノートン 360」が、ことごとく常識を覆していった。

  長期間更新料なしで利用できるのも、1ライセンスの価格で、複数のPCにインストールできるのも、ユーザーにとってはお得で嬉しい話。では、より人気が高いのはどちらだろう。上位20位にランクインした製品の中で、「年間更新料無料タイプ」と、「複数台利用可能タイプ」の2つに分け、販売本数シェアを比較してみた。なお、「複数台利用可能タイプ」は、1ライセンスで複数のPCにインストールできる製品を対象とし、複数ライセンス版は除いた。



  「年間更新料無料タイプ」をリリースしているのは、ソースネクストとイーフロンティアの2社だ。ランクインしているのは、ソースネクストの「ウイルスセキュリティZERO (新パッケージ版)(20.2%)」「同 2台用(4.3%)」「同 3台用(1.8%)」、イーフロンティアの「ウイルスキラーZERO(2.5%)」の4タイトルで合算した販売本数シェアは28.8%となった。

  一方、「複数台利用可能タイプ」は、トレンドマイクロ、シマンテック、マイクロソフトの3社が発売している。20位以内に入っているのは、トレンドマイクロの「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ Vista対応(1.2%)」「同 更新パック(3.8%)」「同 優待 1年版(13.6%)」「同 優待 2年版(2.8%)」「同 優待 3年版(4.2%)」、シマンテックの「ノートン 360(9.5%)」、マイクロソフトの「Windows Live OneCare(0.7%)」の計7タイトル。合算したシェアは35.8%となった。結果、現在のところ、「複数台利用可能タイプ」がやや優勢のようだ。

 このほか、複数のPCにインストールできて、初期費用のみで末永く使いたい、という欲張りユーザーには、イーフロンティアの「ウイルスキラーゼロ 1ユーザ版(3ライセンス)」がオススメだ。対応するOSの公式サポートが終了するまで更新料なしで継続して使用できる。例えば「Windows Vista Business」の場合、2017年まで継続して利用できる。また1つのシリアル番号で、最大3台までのPCにインストール可能。なお、前モデルの「ウイルスキラーZERO」ユーザーもPC3台までインストールすることができるようになった。

   さまざまな形態のソフトが次々に登場しているセキュリティソフト。店頭で選ぶ際には、利用条件をしっかり確認して、自分の利用環境にぴったり合ったお買い得の1本をチョイスしたい。(WebBCNランキング編集部・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。

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