IPA、07年3月のウイルス・不正アクセス届出状況など、相談件数は過去最多に

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2007/04/04 17:45

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は4月3日、07年3月と07年第1四半期のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は4月3日、07年3月と07年第1四半期のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 3月のウイルス検出数は約66万個と、2月の69万個から4.6%減少した。ウイルスの届出件数は2933件で、2月の3098件から5.3%の減少となった。検出数の1位は「W32/Netsky」で約52万個、2位は「VBS/Solow」で約4万個、3位は「W32/Sality」で約3万個だった。

 3月のコンピュータ不正アクセス届出件数は13件で、うち被害のあった件数は9件だった。不正アクセスに関連した相談件数は43件(うち4件は届出件数としてもカウント)で、何らかの被害のあった件数はそのうち20件だった。被害届出の内訳は、侵入2件、DoS攻撃1件、アドレス詐称2件、その他4件。侵入届出の被害内容は、外部サイトを攻撃するための踏み台にされていたものが1件、サーバー内のデータが破壊されていたものが1件だった。侵入の原因は、SSHで使用するポートへのパスワードクラッキング攻撃を受けてパスワードが破られたことと、CGIの脆弱性を突かれたことだった。

 3月にIPAに寄せられた相談総件数は1127件とこれまでで最も多く、そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が、2月の287件から316件にさらに増加し過去最多となった。そのほかは、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が23件で2月とほぼ同数、「Winny」に関連する相談は5件で2月の14件から減少した。

 IPAでは、写真や動画に見せかけてホームページ上で置かれたワンクリック不正請求画面を表示するウイルスなどの悪意あるプログラムをクリックすると、プログラムをダウンロードし、当該プログラムを実行するかどうか警告する画面が表示されるため、こうした場合には「キャンセル」をクリックし、先に進まないよう警告している。

 07年第1四半期(1月?3月)については、コンピュータウイルス届出件数が9544件、ウイルス検出数が約236万個で、届出件数、ウイルス検出数ともに前四半期よりも減少した。コンピュータ不正アクセス届出件数は68件で、前四半期の約1.2倍。被害があった件数は前四半期の約1.4倍となった。IPAに届けられた68件のうち、不正なアクセス形跡を発見した「アクセス形跡(未遂)」の届出が21件と全体の30.9%を占めた。また、実際に被害があった届出は前四半期32件から45件に増え、全体の66.2%に達した。届出者別の内訳は個人が約46%と、依然として高い割合を占めている。