ニコンでは、「S50c」のターゲットを20-30代の女性と30-40代の男性に設定。カメラと「COOLPIX CONNECT」を組み合わせることで、女性には「ピクチャーメール」を使ったコミュニケーション性の高さを訴求し、男性には「ピクチャーバンク」を利用してパソコンなしでも画像が保存できる使い勝手の良さをアピール、ユーザー獲得を図る。

 ニコンは4月3日、無線LAN機能を内蔵したコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX S50c」と、カメラを直接インターネット接続して撮影画像をネット上で共有できるサービス「COOLPIX CONNECT」の記者説明会を都内で開いた。デジタルカメラに内蔵する無線LAN機能を使って直接ネット上のフォトストレージに接続することで利便性の高いサービスを提供し「2ケタ以上のシェアを獲得する」(中山正・映像カンパニーマーケティング本部第一マーケティング部第二マーケティング課マネージャー)狙い。


 「COOLPIX S50c」は、有効720万画素のCCDと35mmフィルムカメラ換算で38-114mmの光学3倍ズームレンズを搭載。レンズシフト式の手ブレ補正機能を備えたうえ、最高ISO1600までの高感度撮影に対応し被写体ブレも抑えることもできる。
 最大の特徴は、本体に内蔵したIEEE802.11b/g規格の無線LAN機能。家庭の無線LANルーターなどを経由してカメラを直接インターネット上のサーバーに接続し、画像を保存・共有することができる。対応するサービスは同社が提供する無料の「COOLPIX CONNECT」。公衆無線LANにも対応しており、ソフトバンクテレコムの「BBモバイルポイント」、NTTコミュニケーションズの「ホットスポット」が利用できる。


 「COOLPIX CONNECT」は、撮影した画像を最大2GBまでネット上のサーバーに保存する「ピクチャーバンク」と、専用のURLが記載されたメールを配信することで、友人や家族が保存した画像を閲覧できる「ピクチャーメール」などで構成。画像のファイル形式はJPEGとモーションJPEGに対応する。


 画像の転送方法はシンプル。まず、あらかじめカメラ本体に自分のニックネームとメールアドレスを登録。メニューで「ピクチャーバンク」を選択すると無線LANを経由してサーバーに画像が保存されていく。また「S50c」は、カメラを充電するたびに、保存されていない画像をサーバーに自動的に転送する自動転送機能も備える。「ピクチャーメール」メニューを選ぶと、画像を選択し、送付先のメールアドレスを入力すればサーバーに画像を転送。サーバーからはURLが埋め込まれたメールが相手に配信される。2つのサービスともに画像サイズは「オリジナル」「プリント(1600×1200)」「PC(1204×768)」「TV(640×480)」から選ぶことができる。


 ニコンでは、「S50c」のターゲットを20-30代の女性と30-40代の男性に設定。カメラと「COOLPIX CONNECT」を組み合わせることで、女性には「ピクチャーメール」を使ったコミュニケーション性の高さを訴求し、男性には「ピクチャーバンク」を利用してパソコンなしでも画像が保存できる使い勝手の良さをアピール、ユーザー獲得を図る。

 同社は05年9月に無線LAN内蔵コンパクトデジタルカメラ「COOLPIX P1/P2」を世界で初めて発売した。06年9月にはコンパクトデジカメ「COOLPIX S7c」を発売し、米国と欧州で有料無線LANを使ったピクチャーメールと同様のサービスを展開。ここで数万人のユーザーを獲得した実績をふまえ、今回、日本でも同様のサービスを開始するもの。


 ネットサービスと組み合わせたコンパクトデジカメの勝算について中山正マネージャーは、「インターネットを使ってデジカメの画像を公開したりして楽しむ人は増えている。また、我々は他社のように、デジカメとプリンタやハイビジョンテレビを組み合わせて売るといった制約がない。その分、インターネットのサービスに注力できる」と自信を見せた。また、「カメラメーカーとしてカメラ機能の追及はきちっとやる」と述べ、高機能化の追求も積極的に行っていく姿勢を示した。