情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は1月5日、2006年年間と、06年12月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は1月5日、2006年年間と、06年12月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 06年の年間ウイルス届出件数は4万4840件。05年の5万4174件から大幅に減少したものの、史上3番目に多い件数で、ウイルスが蔓延している状況に変わりはなかった。ただし、実際にパソコンに感染し、被害を受けるケースは年々減少しており、06年は0.2%にとどまった。IPAでは、メールサーバーへのウイルス対策ソフトの導入など、セキュリティ対策が浸透してきた結果とみている。

 一方、06年年間の不正アクセス届出件数は331件で、05年の515件に比べ、約36%減少した。実際に被害があった届出件数は、前年比約8%減の微減にとどまった。ただ、原因が不明なケースが全体の35%を占めており、不正アクセスの手口が巧妙化するとともに、原因究明が困難な事例が多いと推測している。

 また、06年12月のウイルス検出数は約131万個で、11月の約158万個から17.3%減少した。届出件数は、前月比12.3%減の3212件。不正アクセスは、10件の届出があり、うち9件で被害があった。被害届出の内訳は、侵入6件、DoS攻撃1件、その他が2件。さらに、不正アクセスに関連した相談40件(1件は届出件数としてもカウント)のうち、23件で何らかの被害があった。

 12月の相談総件数は、11月の711件より若干少ない680件。「ワンクリック不正請求」に関する相談が130件で最も多かった。「ワンクリック不正請求」に関する相談は年間を通じて多く、依然として被害が多いという。

 「ワンクリック不正請求」では、個人情報を取得済みであるような文言で支払いを迫るケースが多い。しかし、通常は偶然アクセスしたサイト側で把握できるのは、IPアドレスや利用しているプロバイダ名、使用しているOSやブラウザのバージョン情報など、おもにネットワークに関する情報に限られ、氏名など個人を特定できる情報はない。

 IPAでは、覚えのない請求画面が表示された場合は慌てずに無視し、決してお金を振り込んだり、画面に記載されている連絡先にメールや電話で問い合わせたりしないよう呼びかけている。

 このほか、IPAでは、06年12月末に出現したウイルス「W32/Nuwar」について、「Happy New Year!」といった件名のメールを送り、新年の挨拶に見せかけて感染させるケースを確認したという。

 また、年末にかけて、オンラインゲームを狙ったウイルスの届出が増えており、ウイルス対策ソフトの導入に加え、「添付ファイルを安易に開かないといった基本的なウイルス対策を行って欲しい」と訴えている。

 オンラインゲームを狙ったこのウイルスに感染すると、オンラインゲーム「Lineage II」のパスワードを盗むスパイウェアが埋め込まれ、感染したパソコンで「Lineage II」にログインすると、スパイウェアは、ゲームのIDとパスワードを盗み出し、ウェブやメールを介してウイルスの仕掛け人に送信する。