フォン、世界的な無線LANの無料相互利用サービス、日本上陸

サービス

2006/12/04 20:37

 専用無線ルーターを使った無線LANサービスを展開する英FON WIRELESS(フォン)は12月4日、日本法人のフォン・ジャパンを通じて日本でのサービスを5日に開始すると発表した。07年12月までに全国で3万か所の無線LANアクセスポイント(AP)の設置を目指す。

 専用無線ルーターを使った無線LANサービスを展開する英FON WIRELESS(フォン)は12月4日、日本法人のフォン・ジャパンを通じて日本でのサービスを5日に開始すると発表した。07年12月までに全国で3万か所の無線LANアクセスポイント(AP)の設置を目指す。

 フォンは、自分が持つAPを他人に無料開放すると、他人が開放するAPを無料で利用できる相互利用型のサービスで、全世界で共通の通信形式で無線LANを利用できるのが特徴。現在APは、144か国で約4万か所を数え、約16万人が利用している。05年11月に社長で創業者のマーティン・バルサフスキー氏が設立し、今年2月にはグーグルやスカイプ・テクノロジーズなどから約26億円の資金を調達した。

 サービスを利用するには、まず専用無線ルーター「LaFonera(ラフォネラ)」を購入。専用サイトで会員登録し、発行されたIDとパスワードを使って接続する。会員の種類には、自宅に専用ルーターを設置してAPを無料開放し、他人のAPを無料で利用する「Linus(ライナス)」、自宅にルーターを設置し、有料開放する一方、他人のAPも有料で利用する「Bill(ビル)」、APを開放せず、他人のAPを24時間、3ドル(約350円)の有料で利用する「Aliens(エイリアン)」の3つがある。

 フォンは8月に日本法人を設立。本格的なサービスをこの12月から開始するが、APの早期構築を目的に当面は「Linus」のみを募集。その後、1万人をメドに「Aliens」会員の募集を始める計画。

 フォン・ジャパンでは、専用無線ルーター「LaFonera」の販売で、九十九電機(鈴木淳一代表取締役)と販売提携。12月10日に価格1980円で発売する。ルーターは無線LAN規格「IEEE802.11b/g」に対応。サイズは奥行き93.5×高さ25.5×幅70mm。九十九の店舗とオンラインショップで販売する。九十九のほかにも、量販店や専門での販売も積極的に開拓する予定。

 また、エキサイト(山村幸広代表取締役社長)とも業務提携し、エキサイトの運営するブロードバンドプロバイダ「BB.excite」の会員に「LaFonera」を無料提供するほか、ポータルサイト「エキサイト」利用者に向けたFONの認知拡大のプロモーションなどを実施する。さらに、東京都・有楽町にある「Woman.excite CAFE」を皮切りに、東京、関西に26店舗を構える「エキサイト・ブロードバンド・カフェ」に、FON専用ルーターを随時設置していく予定。なお、エキサイト内のECサイト「ショッピング・エキサイト」では、「LaFonera」を12月中旬にも発売する。

 フォン・ジャパンではルーターの販売と「Aliens」のサービス利用料をおもな収入源とする。将来的にはインターネット広告なども展開し、収益源を拡大する考え。また、ISP事業者と提携し、ISP利用会員にフォンのサービスを紹介してもらうことで会員数獲得につなげるほか、ブロガーをターゲットにしたプロモーション活動なども行っていく計画。