いよいよ地上デジタル放送(地デジ)が全国に広がる。12月1日に九州地区など残り8県で放送が開始され、43都道府県の全県庁所在地で地デジが視聴できるようになるからだ。エリアの拡大にしたがって対応機器も急速に増えている。特に薄型テレビの「地デジ化」は急で、10月の実売では約9割が地デジチューナー搭載モデルとなるほど。そこで、「BCNランキング」で薄型テレビ、HDD-DVDレコーダー、TVチューナー付きパソコンの「地デジ化率」を検証する。

 いよいよ地上デジタル放送(地デジ)が全国に広がる。12月1日に九州地区など残り8県で放送が開始され、43都道府県の全県庁所在地で地デジが視聴できるようになるからだ。エリアの拡大にしたがって対応機器も急速に増えている。特に薄型テレビの「地デジ化」は急で、10月の実売では約9割が地デジチューナー搭載モデルとなるほど。そこで、「BCNランキング」で薄型テレビ、HDD-DVDレコーダー、TVチューナー付きパソコンの「地デジ化率」を検証する。


 間もなく地デジが始まるのは、岡山、香川、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の8県。さらに、一部の放送局で先行開始していた福岡と沖縄でも、全局でデジタル放送を開始する。03年12月に関東と中京、近畿の一部で開始して丸3年。地デジは全国展開を果たし、全世帯の84%を占める約3950万世帯で受信できるようになる。

●薄型テレビは、05年5月を境に地デジ化が急拡大

 対応機器も広がっている。最も地デジ化が進んでいるのはやはり薄型テレビ。液晶テレビとプラズマテレビを合算した薄型テレビ全体で、地デジチューナーを搭載するモデルの販売台数シェアは、この10月で89.2%とほぼ9割。04年9月には40.5%に過ぎなかったものが、放送開始後1年の04年12月で一度50%越え、さらに05年5月以降には非搭載モデルを完全に逆転。以降急速に地デジ化が進んだ。

 普及のスピードには大きな地域差はない。単身世帯の小型テレビ需要が大きいと思われる東京圏では地デジ化が最も遅れているが、他の地域との差は4ポイント程度。ほぼ全国均一に浸透しているようだ。都内の量販店では、「小さな製品を除き、店頭ではほぼ全部が地デジ対応テレビに切り替わった。もはや地デジは当たり前」という声が聞かれ、薄型テレビの実売ベースでは、地デジ化はほぼ完了したと言ってもよさそうだ。

●DVDレコーダー、パソコンの順で地デジ化が進んでいる


 一方、HDD-DVDレコーダーの地デジ化はやや遅れている。04年の12月に販売台数で大きなピークを迎え大ブレイクしたばかり。さらに次世代DVDの趨勢がまだはっきりしない状況だ。そのうえハイビジョン番組の録画の対応など、まだ機能的に進化の余地は大きい。買い替え需要が盛り上がるのはもう少し先になりそうだ。しかし、05年10月以降のデジタル化の進展は速く、現状ではほぼ半々の状況。10月では49.4%とわずかに5割を割り込んだ。

 また、テレビチューナー搭載のパソコンについても、地デジ化率を集計してみた。こちらは、さらに普及が遅れているが、今年の4月のワンセグ放送開始にタイミングを合わせ、デジタル化が急激に進み始めた。しかし、ノート型、デスクトップ型いずれもTVチューナーの搭載率はこの1年で大幅に下がっており、パソコンに関しては、地デジ化に乗り遅れた感は否めない。逆に言えば、07年1月に登場するWindowsの新OS「Vista」効果による需要の盛り上がりに加え、パソコンの地デジ化が進めば、このところ不調が続くパソコン市場も活性化する可能性は高い。


 アナログ放送は11年の7月24日に終了することが予定されているが、本当にこのタイミングで終了させられるかどうかについては異論も多い。しかし、薄型テレビなどの販売状況を見る限りでは、4年8か月後にひかえたアナログ波の停波は、かなり現実味を帯びてきたといえそうだ。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。