ACCSとJASRAC、被害額は約100億円、Winnyによる著作権侵害試算、注意喚起へ

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2006/11/28 22:06

 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は、ファイル交換ソフト「Winny」による著作権侵害の被害額について、音楽ファイルで4.4億円、ゲームソフトやアニメなどその他で95億円、あわせて約100億円相当に達するという試算結果を明らかにした。

 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は、ファイル交換ソフト「Winny」による著作権侵害の被害額について、音楽ファイルで4.4億円、ゲームソフトやアニメなどその他で95億円、あわせて約100億円相当に達するという試算結果を明らかにした。

 ACCSとJASRACは、06年10月10日の18時から24時までの6時間で実態調査を実施。その結果、少なくとも21万ものユーザーに「Winny」が利用され、権利者に無許諾で、61万ファイルの音楽ファイル、約61万タイトルのビジネスソフト、約117万タイトルのゲームソフト、約18万タイトルのアニメ作品、約159万タイトルのコミックが送信可能な状態に置かれ、Winnyネットワーク上で流通していた。

 不法に流通している音楽データを金額に換算すると、1ファイル当たりJASRAC管理楽曲を7曲とした場合に、月額使用料換算で約4.4億円に相当する。ビジネスソフトは平均価格換算で約19.5億円相当、ゲームソフトは約51.3億円、アニメは約17.2億円、コミックは約7億円にそれぞれ相当する。

 「Winny」に代表されるファイル交換ソフトを利用して、権利者に無許諾で他人に対して著作物を送信したり、送信できるようにすることは、著作権法に定められた複製権および公衆送信権(送信可能化権を含む)を侵害する行為となる。

 今回の調査結果を受け、ACCSとJASRACは、財団法人日本データ通信協会(Telecom-ISAC Japan)の協力を得て、Winnyを利用するユーザーに対して、プロバイダーを通じ電子メールやホームページなどを利用して注意を喚起する活動を開始する。さらに、ファイル交換ソフトにおける著作権侵害の状態の監視を続けると同時に、プロバイダーなどと協力し、削除要請の検討など、実効性のある対策活動を行う方針。