NTTドコモは10月12日、第3世代携帯電話「FOMA」のフラッグシップ機「9031i」シリーズ11機種をはじめとする新端末14機種を10月下旬から順次発売すると発表した。音楽や決済などの機能充実を図り、「買って一番損がないケータイ」(夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス本部長)をアピールすることで、ナンバーポータビリティや年末商戦での加入者拡大を狙う。


 11端末を新たに投入する「903i」シリーズでは、ワンセグ対応端末や高速データ通信が可能な3.5G携帯電話の「HSDPA」対応端末などを発売する。特に「エンタテインメント」「決済・セキュリティ機能」「コミュニケーション機能」の向上を図った。


 エンタテインメントでは音楽機能を重視。5端末にWindows Media Audioプレーヤーを搭載し、月額1980円で150万曲が聴き放題で楽しめる、ナップスタージャパンの音楽配信サービスに対応した。楽曲データはいったんパソコンでダウンロードした後、端末に転送して楽しむ。また、11端末すべてが「着うたフル」に対応。さらに全端末でメモリ容量を増やし、大容量のゲームにも対応。画面表示性能も向上し、3次元でなめらかに表示できるようになった。

 決済機能では、メモリ容量を3倍に拡大した最新の非接触ICチップ「Felica(フェリカ)」を全端末に搭載。リーダー・ライター機能も備えており、端末同士を近付けるだけで、電話番号や画像などをやり取りできる。また、機種変更時にチップ内の情報を新しい端末に移す「iCお引っこしサービス」も始める。

 セキュリティ機能では、GPS機能を搭載した端末であれば紛失時に端末の位置情報をパソコン上から確認できる「ケータイお探しサービス」を開始。コミュニケーション機能では絵文字の種類を拡充したほか、送信するメール容量を2MBまで増やした。

 端末個別の機能では、富士通製「F903i」は、ディスプレイを左右それぞれにスイングすることであらかじめ設定しておいた機能が起動。待受画面からワンアクションでiアプリを起動したりカメラを起動したりすることができる。さらに、フルブラウザを搭載しており、横画面でウェブサイトが閲覧できるほか、内蔵カメラでのパノラマ撮影なども行える。


 また、パナソニックモバイルコミュニケーションズ製の「P903i」には、薄さ5mmの「あんしんキー」が付属。遠隔操作で端末をロックすることができる。キーと端末の通信には免許不要の無線規格特定小電力無線を使用し、約4mまで離れてもロックできる。


 そのほか、横画面表示のフルブラウザ機能とFMラジオ機能を搭載した三菱電機製「D903i」、VGA+液晶を採用したNEC製「N903i」、液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」の技術を採用した2.8インチワイド液晶のシャープ製「SH903i」、ウォークマンの技術を搭載し、最長45時間の音楽再生が可能なソニーエリクソン製「SO903i」をラインアップした。

 ワンセグ端末では、19.8mmと業界最薄の三菱電機製「D903iTV」、液晶テレビ「AQUOS」の技術を生かした3型ワイド液晶のシャープ製「SH903iTV」、連続で5時間の視聴が可能なパナソニックモバイルコミュニケーションズ製「P903iTV」の3機種を発売する。


 「HSDPA」対応端末は、音楽機能を強化し、1GBのメモリを内蔵した富士通製「F903iX HIGH-SPEED」のほか、10MBの動画ダウンロードが可能で、Windows Media Videoの動画が視聴できるパナソニック製「P903iX HIGH-SPEED」を投入する。


 「903i」シリーズ以外ではコンパクトタイプの3G端末「SIMPURE」シリーズで「SIMPURE L1」「SIMPURE N1」、無線LAN機能を搭載した法人向け端末「N902iL」を販売する。

 発表会で、夏野執行役員は「『903i』のテーマは“攻めるドコモ”。ケータイの基本機能を充実させると同時に他社にある機能はすべて入れた。これまでで一番自信があり強力な端末だ」と述べた。


 ドコモでは年度内にさらに6機種以上を新たに発売する予定で、「703i」シリーズとして投入する国内メーカー製の薄型端末も2機種紹介。「12mm以下と国内の折りたたみ型では最薄の端末」(夏野執行役員)と語り、薄型端末で攻勢をかけるソフトバンクモバイルへの対抗心をあらわにした。

 また、携帯電話で音楽を聴くユーザーは増えないのではという質問も出たが、「これまでは1曲あたりの課金だったから。ナップスターのように聞き放題サービスならユーザーも聴きやすくなる」(同)と語り、ナップスターのビジネスモデルと携帯で音楽を聴くユーザーの拡大に自信を見せた。