シャープは8月31日、フルHD(ハイビジョン)の地上・BS・110度CSデジタルチューナー内蔵の液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」の新モデル「Gシリーズ」を発表した。これまで手薄だった40インチ台モデルを中心にラインアップ。この8月に稼働を開始した亀山第2工場で生産するパネルを搭載する。10月1日から順次発売し、世界でも同時に発売。「シャープが日本だけで液晶をやっている会社というイメージを変える、世界へのステップ」(片山幹雄専務)につなげる。


 画面サイズは52V型、46V型、42V型と3種類でいずれも同社初。それぞれアンダースピーカータイプとサイドスピーカータイプを揃え計6機種で展開する。価格はすべてオープン。実勢価格は52V型が60万円前後、46V型は50万円前後、42V型で45万円前後の見込み。


 全モデルに搭載する液晶パネル「ブラックASV液晶」は、解像度が水平1920×垂直1080画素のフルHDタイプ。コントラスト比が暗所で2000:1と世界最高を実現した。さらに室内照度が200ルクス時の明るさでも650:1を確保している。

 また、液晶材料やパネル構造を見直し、応答速度を4msec(ミリ秒)と世界最速まで引き上げ、動きの激しいスポーツなどでも動画ボヤケを抑え見やすい映像が表示できるようにした。視野角は上下左右で178度。オーディオ機能では1ビットのデジタルアンプと高開口率のスピーカーシステムを新たに開発し、クリアな音を楽しめるようにした。

 シャープでは国内で大型液晶テレビの需要が今後拡大すると予測。これまでは45V型だけだったが、今回40V型台以上の大型製品を拡充し市場を開拓する。海外市場については50-60V型のリアプロジェクションテレビの人気が高い米国をターゲットに買い替え需要を狙う。同時にブランド力強化のため大規模な販促活動も実施する。新製品の発売で、40V型以上の同社の大型液晶テレビ販売構成比は、金額ベースで全世界が40%、国内が30%程度になる見通し。

 新製品のパネルを生産するのは亀山第2工場で、8月に稼働。横2160×縦2460mmの第8世代と呼ばれるガラス基板を採用し、50V型クラスで6面、40V型クラスで8面と大型パネルを効率的に生産できるのが特徴。さらに工場内の搬送距離を短くし生産のリードタイムを短縮する。また、インクジェット方式で印刷する低コストのカラーフィルターなど新しい部材を投入することで、「同じサイズのプラズマテレビのパネルに負けないコスト競争力」(片山幹雄専務)を確保し、「フルHDで1インチ1万円を実売価格で達成した」(同)としている。


 海外戦略では米国、欧州、アジアで新製品を同時発売。亀山工場で液晶パネルを生産し、海外工場で回路取り付けなどのモジュール化、組み立てを行うことで輸送費の削減や生産期間の短縮を図る。製品は発売する地域ごとにデザインを変えて販売。欧州向けではスペインに加え、ポーランドに工場を新設する。07年1月から生産を開始。米国向けとなるメキシコ工場では10月からモジュール化のラインを稼働する。さらに、アジア向けとなる中国、マレーシアの工場と合わせ世界的な生産体制を構築した。

 片山専務は「これまでシャープは大型モデルをほとんど持っておらず、海外では存在感がなかった。(新製品で)海外の消費者に存在感をアピールする。年末商戦で(台数ベースで)世界シェア15%と1位を狙う」と自信を見せた。


 一方、国内市場は「小型から大型まで製品のラインアップが揃ったことで、台数シェアを現在の50%からさらに拡大できる」と述べた。また、価格下落が進む32V型、37V型については「価格の下げ幅は縮まっている。年末までには下落は止まる」との見方を示した。