スリーエム ヘルスケア、18倍の大きな音で聴ける電子聴診器、騒音の低減も

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2006/07/18 20:23

 スリーエム ヘルスケアは7月18日、従来の「リットマン」聴診器の18倍の音響増幅機能と、正確な聴診の妨げとなる周囲の話し声や騒音などを低減する機能を搭載した電子聴診器を発売したと発表した。

 スリーエム ヘルスケアは7月18日、従来の「リットマン」聴診器の18倍の音響増幅機能と、正確な聴診の妨げとなる周囲の話し声や騒音などを低減する機能を搭載した電子聴診器を発売したと発表した。

 デンマークのAV機器メーカーBang&Olufsen社の子会社で、医療と診断器具部門を担うBang&Olufsen Medicom社と共同開発したもので、これまでの「リットマン」聴診器の18倍の音響増幅機能(最高増幅25デシベル)で、聴き取りにくい微弱な音を捕らえることができるのが特徴。聴診音はデジタル信号処理をするが、通常の聴診器で聴く生体音に近い形で聴き取ることができる。

 独自のANR(Ambient Noise Reduction)テクノロジーにより、周囲の騒音・雑音を平均75%低減し、騒がしい環境の中でも心音や肺音などの正確な生体音聴診が可能。なお、平均70-75デシベルの環境下で、通常の聴診器と聴診比較した実験で、聴き取りにくい大動脈弁閉鎖不全(II度)の音を聴き逃す確率が23.4%から4.8%に減少した。

 また、一般的な聴診器のようにダイアフラム(薄い膜)面全体を聴診部に密着する必要がなく、一部分の接触で聴診ができるため、新生児、小児、成人、痩せている患者、頸部の聴診などが可能。循環器専門医師をはじめ、ICU・CCU・救命救急センター勤務の医療従事者、屋外での診察機会のあるスポーツドクターや獣医師などにも適しているという。

 「電源のオン・オフ」「低周波・高周波の聴診モードの切替」「ボリュームの調節」はボタン操作で行う。重さは155gで、チューブを折り曲げて持ち運びができる。単4アルカリ電池を1本で、約200時間の聴診が可能。

 チューブの色は、ブラック、バーガンディー(ワインレッド)、ネイビーブルー(濃紺)、ハンターグリーン(濃緑)、プラム(濃紫)の5色で、価格はいずれも5万9850円。