IPA、対策ソフトの押し売りに注意、4月のウイルス&不正アクセス届出状況

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2006/05/08 15:21



 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は5月2日、06年4月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 これによると、4月のウイルス検出数は179万個で、3月の約256万個から約3割減少した。届出上位のウイルスがそれぞれ減少し、とくに検出数1位の「W32/Netsky」が前月より67万個減少し、約136万個にとどまったことが貢献した。ウイルス届出件数は3537件で、3月の4270件から17.4%減少した。

 4月の不正アクセス届出件数は15件で、うち被害のあった件数は7件だった。被害届出の内訳は、侵入5件、DoS攻撃1件、その他1件となっている。侵入被害では、SQLインジェクション攻撃でシステムを乗っ取られた例が1件、 Webサーバーに侵入され、フィッシングに悪用するためのWebコンテンツを設置された例が1件などが報告された。

 一方、ウイルスなどに関する相談件数は904件となり、前月同様、高水準で推移した。なかでも、3月にはわずか4件だった「セキュリティ対策ソフトの押し売りのような行為に関する相談」が40件に急増。「ワンクリック不正請求」に関する相談は前月より30件増えて161件、Winnyに関連する相談は前月196件から83件に減少した。

 4月から急増した「セキュリティ対策ソフトの押し売り」とは、ウイルスに感染している恐れがあるなどと「偽の警告」を画面に表示し、「セキュリティ対策ソフト」と称するものを販売しようとするといった手口を指す。表示に従ってセキュリティ対策ソフトをダウンロードすると、クレジット決済で購入するまで、しつこく購入を促すメッセージを表示し続ける。このため、つい買ってしまったという事例があった。実際には、ほとんどの場合、ウイルスには感染しておらず、メッセージに従いソフトをインストールすると、パソコンに不具合が生じる例も報告されている。

 IPAでは、「正規のセキュリティ対策ベンダーは、ユーザーを脅すようなメッセージを一方的に送りつけ、“押し売り”のようにソフトを販売することはない。怪しげな警告を真に受けないで欲しい」と呼びかけている。また、ウイルスやスパイウェアに感染が疑われる場合は、シマンテックトレンドマイクロマカフィーなど信頼できるセキュリティベンダーの無料オンラインスキャンを利用して検査することを推奨している。