シチズン時計、消費電力50分の1、電源OFFでも表示消えない液晶ディスプレイ

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2006/04/14 14:10

 シチズン時計(梅原誠社長)は4月13日、電源を切っても表示が維持できる「メモリー性液晶ディスプレイ」の開発に成功したと発表した。

 シチズン時計(梅原誠社長)は4月13日、電源を切っても表示が維持できる「メモリー性液晶ディスプレイ」の開発に成功したと発表した。

 電源を切った状態でも表示がそのまま維持される、「メモリー性」を持っているのが特徴。画像の書き込み時以外には電力が必要ないので、従来の液晶と比べて約50分の1の低消費電力を実現した。5Vという低電圧での駆動も可能となった。

 素材として、従来の液晶で使用されているポリイミド配向膜の代わりに、無機配向膜を採用。配向膜と液晶分子との極角度を20度近くに設定することで、表示を維持することに成功したという。また、ガラス基板の間隔を従来の約3分の1以下にすることで、メモリー性を向上させた。

 用途としては、電子棚札や各種メータなどの液晶表示部、携帯電話のサブ液晶ディスプレイ、電子ブックや電子ペーパーのほか、低消費電力が要求されるさまざまな液晶表示部としてなど幅広い分野を想定。今後は外販に力を入れ、08年には10億円の売り上げを目指す。

 なお同社では、日本国内で今秋に発売を予定しているダイバーズウォッチの液晶ディスプレイの一部として搭載する予定。