仏トムソン、カノープス買収へ、33.33%の株式を取得し、TOB開始

TOB価格は直近30取引日の終値平均に約20%のプレミアムを付した価格に相当する1株当たり14万8000円。TOB期間は12月6日から06年1月16日まで。TOBでは、合計発行済株式総数の77.87%以上を取得することを条件として、応募株券の全てを買い付ける。TOBの成功後、最終的にはカノープスの株式を100%取得、カノープスの株式を東京証券取引所での上場を廃止する方針。
トムソンは現在、傘下のグラスバレーで、デスクトップ・ビデオ編集、ビデオIPソリューション、デジタルメディア変換などの強化を目指しており、今回の買収もその一環。山田氏は引き続きカノープスの経営の指揮をとり、カノープスの現経営陣も、グラスバレー事業の経営陣のもとでそのまま事業運営にあたる予定。
なおトムソンは、山田氏およびその親族に対して、譲り受ける株式の対価として、50%を現金、残りの50%をトムソンが保有している自己株式(821,917株)で支払うとしている。
同日開催した記者会見で、カノープスは、これまで通り製品の販売、開発を継続するが、「差別化できない製品については今後の継続について検討する」(山田広司取締役カノープス会長)意向を示した。またトムソンは、日本市場でカノープスの販売チャネルを利用してコンシューマ製品を投入するほか、カノープス製品の世界市場拡大などのシナジーを図っていく方針。