東芝は9月16日、世界最小の燃料電池の実用化に向け、携帯音楽プレーヤーの試作機を用いた動作検証を開始したと発表した。この燃料電池は昨年6月に発表し、電子機器に組み込む小型燃料電池ユニットとして開発したもの。

 今回開発したのは、出力が100mWと300mWの燃料電池ユニット。それぞれシリコンオーディオプレーヤー、HDDオーディオプレーヤーに組み込む。シリコンオーディオプレーヤー本体は横35mm、縦110mm、厚さ20mmのサイズ。これに横23mm、縦75mm、厚さ10mmで板ガム程度のサイズの100mW型の燃料電池を組み込む。内蔵タンクに3.5mLの燃料を注入して約35時間駆動できる。また、HDDオーディオプレーヤー本体は横65mm、縦125mm、厚さ27mm。これに横60mm、縦75mm、厚さ10mmのサイズの300mW型燃料電池を組み込む。内蔵タンクに10mlの燃料を注入し約60時間駆動できる。なお、これらプレーヤー本体は、動作検証用の部品が含まれるため、今後さらも小型化が可能。

 今回開発中の燃料電池は、小型燃料電池に関する国際標準化の動向を踏まえ、IEC(国際電気標準会議)で策定中の安全性規格案に準拠して設計した。同社の燃料電池は、小型化に適した「パッシブ型」を採用し、一般に30%以下に希釈するメタノール燃料を薄めずに使用できることなどが特長。同社では、耐久性・信頼性試験などを重ね、2007年以降の燃料電池の本格普及期に向け、生産技術を含めた開発を進めるとしている。