松下電器産業は8月25日、プラズマテレビ「VIERA(ビエラ)」の新製品として、65V型のフルHD対応製品をはじめとする4機種を、9月10日から順次発売すると発表した。

 「手の届く大画面プラズマ!」というキャッチフレーズを掲げ、価格の安さを前面に打ち出しているのが新シリーズの特徴。プラズマテレビの雄である松下が、勢いに乗る液晶テレビに対抗するために取った手段は、思い切った低価格戦略だった。

 最上位となる65V型フルHDプラズマテレビのTH-65PX500は、実売想定価格で99万円前後と、100万円を切る価格に設定。現行の65インチプラズマテレビや液晶テレビが160?170万円前後であるのに対して、4割近い価格引き下げとなった。また、普及モデルとして、新たに50V型のTH-50PX50、42V型のTH-42PX50、37V型のTH-37PX50を投入。それぞれ価格は、58万円前後、44万円前後、34万円前後と、1インチ1万円を軸にした設定としている。

 松下電器パナソニックマーケティング本部・牛丸俊三本部長は、「花嫁道具のひとつとしても購入できるようなエキサイティングな価格とした。新婚家庭など、これまでプラズマテレビが欲しくても買えなかった層に販売していきたい」と、大画面テレビの新市場開拓に意欲を見せる。

 さらに、今年9月末ごろから尼崎のプラズマ第三工場が稼働する予定で、同工場による大幅な生産性向上も今回の大幅な価格引き下げに寄与している。37インチ以上の大画面テレビでは、プラズマテレビが7割以上を占めているが、シャープが投入した65V型の液晶テレビをはじめ、液晶の大画面化が進展。この分野での争いが激しくなっている。

 これに対して、松下電器は、大画面テレビにおけるコスト優位性を発揮して、液晶テレビの拡大に待ったをかける考えだ。実際、今回の会見でも、液晶陣営を強く意識した発言が相次いだ。

 動画応答性に優れていること、視野角が広いこと、色再現範囲が広いこと、黒が引き締まって見えるというプラズマテレビの特徴を、液晶テレビと比較しながら訴求。さらに、プラズマテレビの弱点のひとつとされていた消費電力についても、従来製品に比べて43%削減したことをアピール。「液晶テレビを含めた薄型テレビのなかで、最も年間消費電力量が低い製品になる」(牛丸本部長)と、これまでの常識を覆す製品であることを強調した。

 これから9月中旬にかけて、各社から年末商戦向けの薄型テレビ新製品が相次ぎ発表される予定だが、今回の松下電器の新製品発表によって、製品戦略の修正を余儀なくされるメーカーも出てくることになりそうだ。