富士通研究所、富士通フロンテック、富士通の3社は共同で、世界初となる電源を切っても表示を維持でき、明るいカラー表示が可能な電子ペーパーを開発したと発表した。

 薄くて曲がり、表示の維持には電力が不要なうえ、書き換えも低消費電力で可能。公共の場所での情報表示や商品広告など、紙のように扱える新しい電子メディアとしてさまざまな応用が考えられる。今後、本電子ペーパーの利用に関するマーケティング活動を推進していく考え。

 これまで電子ペーパーについてはさまざまな研究開発が行われていた。しかし、電力がなくても表示を維持できるメモリ性、カラー表示、曲げることができるフレキシブル性、のすべてを実現するものはなかった。

 今回開発した電子ペーパーでは、世界で初めて、メモリ性の明るいカラー表示をフレキシブルなフィルム基板で実現。主な特徴として、(1)表示し続けるための電力はゼロ、書き換え時も極めて低い消費電力、(2)赤、緑、青の3枚の表示パネルを積層した構造をもち、カラーフィルタや偏光板が不要なため、従来の反射型LCDより明るいカラー表示を実現、(3)基板にはフィルム基板を使い、曲げても使うことができる――などが挙げられる。

 利用想定シーンとしては、(1)電車の中吊り広告や湾曲した壁面への情報表示など、公共の場所での利用:時間帯や状況によって掲載内容を変更できるなど、効果の高い案内や商品広告が実施できる、(2)電子棚札、POP広告、レストランのメニューなど、店舗での利用:カラーで見やすくタイムリーに書き換え可能な価格表示や商品情報表示に利用、(3)マニュアルや作業指示書の必要部分だけを表示・携帯できる、(4)携帯機器で取得した文字データ・画像データを、ワイヤレスで拡大表示、(5)家庭におけるデジタルコンテンツの手軽な掲示や持ち歩き用途――など。

 今後は、電子ペーパーの利用に関するテストマーケティング活動や実証実験活動を実施し、06年度の商品展開を目標に電子ペーパーを利用したフィールド・イノベーションの実現を推進していく。なお、今回開発した電子ペーパーは、7月14日、15日に東京国際フォーラムで開催する「富士通フォーラム2005」に展示する。