NTTコムウェア(今井郁次社長)とノベル(吉田仁志社長)は、既存のPCにUSBメモリ型のデバイスを挿入するだけで、企業システムのシンクライアント環境を実現する「USB-Linuxシン・クライアント」を商品化し、8月の販売開始を目指すと発表した。

 シンクライアントは、企業の情報システムにおいて、社員が利用するPC(クライアント)に最低限の機能しかもたせずに、サーバー側でアプリケーションやファイルなどの資源を管理するシステムの総称。また、その形態のシステムで利用される、機能を絞った低価格のクライアント用PCを指す。

 クライアントPC側にデータを保存する機能をもたないことは、企業内データの外部流出防止に有効なことから、普及が見込まれている。しかし、これまでシンクライアントシステムへの移行は、サーバーとクライアントPCを総入れ替えする大がかりな方法が一般的だったため、低コストで移行可能なソリューションへのニーズが高まっていた。また、社内PCのTCO削減に向けてLinuxデスクトップへの移行を計画する企業からは、煩雑な移行作業を必要としないLinuxソリューションが求められていた。

 今回の「USB-Linuxシン・クライアント」は、既存PCをそのまま利用でき、専用クライアント(シンクライアント端末)の新規購入は不要。使い慣れたPCと、操作感がWindowsに近く扱いやすい「Novell SUSE LINUX」を利用するため、特別な操作トレーニングもほとんど必要ない。

 また、VPN(仮想専用線)接続を利用することで、外出先や自宅のPCが、会社のサーバーにアクセス可能なシンクライアントになるため、会社のノートPCを持ち歩いて紛失するなどの危険性もなくなる。また、「ブータブルUSB」の紛失や盗難があった場合も、デバイス内にはデータをもたないため、データの外部流出を防止できる。

 なお、6月1日から3日まで東京ビッグサイトで開催される「LinuxWorld Expo/Tokyo 2005」のノベルのブースにおいて、「USB-Linuxシン・クライアント」のプロトタイプを展示する予定。