もうすぐゴールデンウィーク。携帯ゲーム機を持って出かけてみるのはどうだろう? 3月あたりから、「PSP」「ニンテンドーDS」向けの新作も多くリリースされ、かなり充実してきた。3月のBCNランキングを見れば(表)、新顔がずらりと並んでいることがわかるだろう。注目は、何本もランクインを果たしたナムコだ。これらの作品を紹介しながら、ナムコ人気の理由を探ってみよう。

 もうすぐゴールデンウィーク。携帯ゲーム機を持って出かけてみるのはどうだろう? 3月あたりから、「PSP」「ニンテンドーDS」向けの新作も多くリリースされ、かなり充実してきた。3月のBCNランキングを見れば(表)、新顔がずらりと並んでいることがわかるだろう。注目は、何本もランクインを果たしたナムコだ。これらの作品を紹介しながら、ナムコ人気の理由を探ってみよう。


●「PSP」初の人気大型RPG「テイルズ オブ エターニア」が強い

 まずは「PSP」のソフトから。ベスト10入りしたのは、「テイルズ オブ エターニア」(ナムコ)、「ナムコミュージアム」(ナムコ)、「みんなのGOLF ポータブル」(SCE)、「リッジレーサーズ」(ナムコ)、「サルゲッチュP!」(SCE)の5作品。とくに1位を獲得した「テイルズ オブ エターニア」は、携帯ゲームソフトでダントツの売れ行きを記録した。

 「テイルズ オブ エターニア」は、異なる2つの世界を舞台に、若者に人気のイラストレーター・いのまたむつみ氏によるキャラクターが冒険を繰り広げていくロールプレイングゲーム。実際の戦闘シーンでは、コントローラーを操作しながら敵と格闘する「リアルモーションバトル」を採用しており、「ドラゴンクエスト」のようなコマンド入力方式と比べると、戦闘シーンでの爽快感は段違いだ。

 ビックカメラの担当者によれば、「イラストレーターのいのまた氏が若い女性に大変人気で、10代、20代の購入者が多い。人気を受けて、ファン向けに『コレクターズ・エディション』のDVDボックスが発売されるなどしている」(ビックカメラ有楽町店)という。このほか、「PSPソフトとして出た初の人気大型RPGだった」(同)ことも、人気が集中した理由といえそうだ。

 ナムコでも「販売本数は予想を大きく越えた」と胸を張る。PSPの発売後すぐのリリースで開発期間も短く、いろいろと苦労もあったようだ。しかし「PSPのハード特性を最大限に生かすため、全編にわたって根本的な見直しを行った」ことで、PSPのハード特性を十二分に引き出す仕上がりになった。こうした努力が素直に販売に結びついた形だ。

 実は、この「テイルズ オブ エターニア」は、ナムコが「テイルズ オブ」シリーズとして発表している作品の1つ。これまでに「テイルズ オブ リバース」(PS2用)や「テイルズ オブ ファンタジア」(ゲームボーイアドバンス用)などのシリーズ作品をすでに発売している。今回発売した「テイルズ オブ エターニア」もプレイステーション版として発売されており、その人気はビデオや書籍、CD、果てはオンラインゲームなどの作品発表にもつながった。

 このように、ゲーム、ビデオ、書籍などを通して根強いファンとなったユーザーや、「テイルズ オブ」作品に期待をもつユーザーが「テイルズ オブ エターニア PSP版」に関心を向けたといえる。

 「テイルズ オブ」以外のPSPソフトとしては、過去の名作ソフトを集めた「ナムコミュージアム」、猿を捕まえるアクションゲーム「サルゲッチュP!」あたりの動きが面白い。携帯ゲーム機は移動中などの空き時間にプレイできることから、こうしたミニアクションと携帯ゲーム機との相性の良さが現れている。

●自分で描いた下手くそな絵が動く! 新発想のゲームも人気

 今度は「ニンテンドーDS」のソフトを見ていこう。「タッチ!カービィー魔法の絵筆」(任天堂)、「パックピクス」(ナムコ)、「メテオス」(バンダイ)、「アナザーコード 2つの記憶」(任天堂)の4つがベスト10入りした。

 「タッチ!カービィー」は、タッチペンを使って“虹のライン”を描きながら、ボールになった“カービィ”を操ってユーザーがゴールを目指すアクションゲーム。「カービィ」は任天堂を代表するキャラクターの1つで、「カービィ」の本やDVD、CDが発売されるなど、「テイルズ オブ エターニア」同様、幅広いコンテンツ展開が特徴だ。

 5位の「パックピクス」は、タッチペンを使って描いたパックマンが画面で動き出す新発想のゲーム。パックマンという馴染みあるキャラクターを使い、DSならではの“描いて遊ぶアクションゲーム”を生み出した。「自分が描いたものが主人公になるというのは今までなかった。自分で主人公を作り出せる楽しさと、どんなに下手くそでも動くのが面白い」(ビックカメラ)と評価する。一方、開発したナムコでは、「実際に描いて動いた瞬間の衝撃をいかに持続させ、かつミニゲームで終わらせることなく、1本のアクションゲームとして成立させるか」といった課題を、「矢」「爆弾」といったアイテムをゲームに取り入れるなど工夫をこらしながら、うまく解決した。

 6位の「メテオス」にも触れておこう。新感覚の「打ちあげ」系アクションパズルゲームで、惑星「メテオス」から生み出されるメテオ(隕石)から自分の惑星を守るゲームだ。パズルゲーム「テトリス」のような要素をあわせもち、メテオを組み合わせて“打ち上げる”。“落とす”ゲームが多いなか、“打ち上げる”という新境地を開いた。登場するユーモラスな宇宙人や派手な動きが遊び心をくすぐる要素となっている。

●今回のナムコの勝因とは?

 ベストテンに何本もランクインしているナムコ。その強さの秘密はなんだろうか? ナムコでは「DSとPSPではメインユーザー層がかなり違っている。DSはゲームボーイアドバンスに引き続き小中学生がメインユーザー、PSPは中高生、サラリーマン層がメイン層となっている」と、ユーザー層をかなり意識しているようだ。確かに、ランキング入りしたPSPのソフトは、DSのソフトよりもより年齢層の高いユーザーを意識しているような作品が多い。

 PSPは新しいハードであるだけに、ソフト選びでは逆に、とりあえずなじみのあるものを選んでしまいがち。「テイルズ オブ エターニア」も「パックピクス」も、プレーヤーになじみが深い題材を使ったのがよかったようだ。「面白いに違いない」と感じさせる人気のキャラクターを最大限に生かした戦略が、ナムコの勝因といえるだろう。