三洋と日本IBM、燃料電池を使ったノートPC用電源を共同開発へ

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2005/04/11 19:10

 三洋電機(桑野幸徳社長)と日本IBM(大歳卓麻社長)は4月11日、マイクロ燃料電池と2次電池を組み合わせたノートパソコン用のハイブリッド電源システムを共同開発すると発表した。<br />


 三洋電機(桑野幸徳社長)と日本IBM(大歳卓麻社長)は4月11日、マイクロ燃料電池と2次電池を組み合わせたノートパソコン用のハイブリッド電源システムを共同開発すると発表した。

 特定のモデルを対象とした専用設計ではなく、既存のシンクパッドに接続して使用できる汎用性の高い電源システムを目指す方針。すでに試作品を製作し、実働は検証しているが、今後は小型・軽量化を図るとともに、堅牢性の向上やコストダウンなどを進め、3年後をめどに実用化したい考えだ。

 新たに実用化を目指す電源システムは、燃料にメタノールを使うダイレクトメタノール形マイクロ燃料電池と小型2次電池を組み合わせたシステム。日本IBM製のシンクパッドの複数機種に対応するとともに、電力消費の大きいグラフィックス系ソフトにも対応できるよう、最大72ワットの高出力を目指す。

 試作品は、130ミリリットルのメタノール入り燃料カートリッジで、約8時間駆動できる。給電中にも燃料カートリッジを交換できるため、AC電源なしでも半永久的な連続駆動が可能としている。

 今後は、試作品をベースに小型化や低コスト化を図る。一方、燃料または燃料カートリッジの円滑な供給といったインフラ面では、規制緩和なども必要になるため不確定要因もあるが、3年後をめどに実用化したい考え。また、デファクト・スタンダードを狙ったものではないとしながらも、「携帯機器向け電源システムとして他社への公開もあり得る」(三洋電機パワーグループ・モバイルエナジーカンパニー)としている。