暖かい春の陽射しに誘われ、いつもは出不精な人も「ちょっと出かけてみよう」と思うこの季節。デジカメを片手に、なにげない春の1コマを撮影してみたりする人も多いはず。そして、その撮った写真をすぐにプリントしたいというユーザーから注目を集め、人気急上昇しているのが写真印刷専用の「フォトプリンタ」。とくに今年は、気軽に持ち運んだり、机の上にちょっと置けるような“お気軽フォトプリンタ”が店頭を賑わしている。

 暖かい春の陽射しに誘われ、いつもは出不精な人も「ちょっと出かけてみよう」と思うこの季節。デジカメを片手に、なにげない春の1コマを撮影してみたりする人も多いはず。そして、その撮った写真をすぐにプリントしたいというユーザーから注目を集め、人気急上昇しているのが写真印刷専用の「フォトプリンタ」。とくに今年は、気軽に持ち運んだり、机の上にちょっと置けるような“お気軽フォトプリンタ”が店頭を賑わしている。

 その火付け役となったのが、エプソンが昨年4月に出したインクジェットプリンタ「Colorio me: E-100」だ。それではここで、「BCNランキング」から、A6/ハガキ専用インクジェットプリンタの販売台数シェア推移を見てみよう(図1)。キヤノン、HPも昨年末に新機種を投入したが、先行する「E-100」の独走を許したまま。4位の「E-100P」も、「E-100」のピンク版で、ホワイト以外のカラーモデルが欲しいという声に応えたもの。

 実はこれまで、フォトプリンタというと、サーマル方式が一般的だった。サーマル方式というと難しく感じてしまうが、簡単に言えば「感熱式」のこと。熱を加えると変色する特殊な用紙(感熱紙)に印字ヘッドを押し付けて印刷する方式だ。感熱式のFAXを使っている人なら理解が早いだろう。

 エプソンは、このサーマル式のフォトプリンタが定番だった頃に、「インクジェット式」のフォトプリンタ「Colorio me:」を投入。当時、インクジェット方式は小型化が難しいと考えられていただけに、業界内に大きなインパクトを与えた。さらにこの「Colorio me:」は、女性メンバーのみのプロジェクトから生まれた製品で、丸みを帯びたデザインが机の上だけでなく、リビングやキッチンにもマッチするのも特徴。

 ビックカメラ有楽町店の山下亮さんは、「『Colorio me』をはじめとしたインクジェット式は、サーマル式と比べて市販の用紙が利用できること、色あせしにくいこと、液晶モニタ搭載で印刷前に確認できることが受けている」とみる。逆に、サーマル式は「小型化しやすい、インクの交換がなく、色のにじみが少ない」(同)のが特徴だ。とはいえ、購入者はとくにサーマル式やインクジェット式で区別しているわけではなく、大きさや使い勝手、デザインの好みで選んでいるとのこと。

 エプソンでは、「フォトプリンタの市場規模は、これまでが50だとしたら『Colorio me:』が登場したことで100くらいまで膨らんだはず」と、市場拡大につながったことに自信を見せる。さらに「プリンタ市場全体で見ても、フォトプリンタ製品だけで市場シェア2ケタは狙える」と、今後の大きな伸びを見込んでいるようだ。

 それでは、サーマルプリンタ市場はどうなっているのだろう。最近、大きくブレイクしているのがコダックの「プリンタードック PD-26」(図2)。デジカメ日本再参入となるコダックが、その大きな武器としてデジカメとともに投入したフォトプリンタだ。

 このプリンタ、単体で買えば2万円弱だが、コダックのデジカメとセットで購入する場合は、なんと3分の1程度の価格で購入できる。このため、いままでサーマルプリンタでトップを走っていたキヤノンの「CP400」は、好調な販売をキープしているのにもかかわらず、シェアを落とすことになった(表)。コダックの「PD-26」は、デジカメユーザーにターゲットを絞ったことで、新たな購入者の獲得に成功したといえる。

 「パソコンがなくても印刷できるのはフォトプリンタなら当たり前だが、『PD-26』はデジカメを直接取り付けて、液晶モニタ代わりに利用できるのが便利。撮ってすぐ印刷できるわかりやすさが、とくに年配の方々に受けている」(ビックカメラ有楽町店・山下さん)。「Colorio me」同様、気軽に印刷できることと、液晶モニタを使って印刷前に確認できることが人気のポイントのようだ。

 コダックの小島佑介社長は、「自分で写真を印刷することの楽しさを訴えていけば、必ず印刷需要が拡大し、利用者の裾野が広がっていく」と意気込む。エプソンでも、デジカメの普及がプリント需要に結びついていないとして、「メモリスロットを使えば、デジカメや携帯電話の写真が簡単に印刷できることをもっと伝えていきたい。たとえば、『プリクラ』のような小さい写真への文字書き込み、フレーム追加ができるようになると面白くなる」と、本格的にフォトプリンタの普及に取り組む構え。

 「インクジェット式」が主流になるのか、「サーマル式」が巻き返すのか。いずれにしても、デジカメ写真を手軽にプリントできる「フォトプリンタ」の市場はこれからも広がっていくことは間違いなさそうだ。