「BCNランキング」2月、マウスのタイプ別構成比でワイヤレスタイプの販売台数シェアが25%を超えた(図)。04年8月時点で16.1%だったシェアが今年2月には25.6%と、半年で10ポイント近く伸ばしたことになる。とくに顕著だったのが年末商戦の12月で、何と一気に4ポイント以上伸ばしている。この勢いはしばらく続きそうで、春商戦でどこまでシェアを伸ばすのか注目だ。

 「BCNランキング」2月、マウスのタイプ別構成比でワイヤレスタイプの販売台数シェアが25%を超えた(図)。04年8月時点で16.1%だったシェアが今年2月には25.6%と、半年で10ポイント近く伸ばしたことになる。とくに顕著だったのが年末商戦の12月で、何と一気に4ポイント以上伸ばしている。この勢いはしばらく続きそうで、春商戦でどこまでシェアを伸ばすのか注目だ。


 ワイヤレスマウスが登場してから数年。これまでいまひとつ伸び悩んでいた印象がぬぐえなかったが、ここにきて急激にシェアアップした要因はどこにあるのだろうか?

 ワイヤレスマウスといえばマイクロソフト、ロジクールの海外系メーカーの印象が強かったが、マウスシェアトップのエレコムをはじめとする国内メーカー各社も昨年はワイヤレスの新モデルを競って投入してきた。そんななか、目についたのがレシーバをマウス本体に収容できるモデルである。ワイヤレスマウスのレシーバは、USBポートに直接差し込むタイプが登場してから小型化された。このことがワイヤレスマウスにとって、ひとつの転機になった。

 これまでワイヤレスマウスがイマイチ伸び悩んでいた原因はいくつかあるが、何よりも有線タイプに比べて価格が割高なのに「マウスが無線になることの利便性」が明確でなかったことが大きな理由だったのではないだろうか。なんとなく「有線より無線の方が使いやすそうだ」というだけでは、ユーザーの購買意欲をかき立てるには弱かったのだ。しかし、レシーバが小型化されたことによってひとつのニーズが明確に見えてきた。それは、“持ち運び=モバイル”でのワイヤレスマウス使用である。

 昨年秋頃からメーカー各社はそのニーズをしっかりと打ち出し、マウス本体に小型レシーバを収容できるワイヤレスマウスを投入してきた。これがユーザーにも受け入れられ、年末商戦で一気にブレイクしたようだ。それは数字にもハッキリと出ている。

 「BCNランキング」2月4週(2月21日?27日)のマウス機種別販売台数シェアトップ10をみると、1位はマイクロソフトの「ワイヤレスノートブックマウス」、2位のアップルマウスを挟んで3位にロジクールの「MX-1000」、6位と9位にはエレコムの「M-D5シリーズ」と、トップ10にワイヤレスタイプが4機種もランクインしている(表)


 とくに、マイクロソフトとエレコムの製品は、レシーバがマウス本体に収容できる“モバイル向けワイヤレスマウス”である。確かにモバイルではパソコンの使用シーンにさまざまな条件が考えられるので、コードマウスよりワイヤレスマウスの方が使い勝手はいいはずだ。また、コードマウスの故障原因として「コードの断線」は意外と多い。そんなことまで考えると、モバイル用で持ち運ぶならワイヤレスの方が安心できる。

 では、ワイヤレスマウスは今後もシェアを伸ばし、マウスの主流となるのか?マウスメーカー各社がワイヤレスマウスに力を入れていることもあり、今後しばらく、マウスの新製品はワイヤレスが多数を占めることになるだろう。それはコードマウスに比べて単価が高いというメーカーにとって都合のいい面もあるが、ワイヤレスマウスなら技術的な進歩や新しい提案を打ち出していけるからだ。

 例えば、「いかに長時間連続で使用できるようにするか(電池)」ということや「混信の回避」などである。さらに、メーカー間の価格競争も当然あるので、コードマウスとの価格差も今より詰まってくると予想する。それらのことを考えると、ワイヤレスマウスは今後もシェアを伸ばしていくはずだ。ただ、今のワイヤレスマウスはモバイルというニーズを掴んでシェアを伸ばしている段階であり、コードマウスとの逆転はまだまだ先のことだろう。パソコンの使用が自宅だけというユーザーなら、コードマウスで何の不便も感じないはずだからだ。

 ワイヤレスマウスの覇権を握るメーカーもまだ決まってはおらず、メーカー間の競争はさらに激しさを増すことだろう。ユーザーにとっては、これからどんなワイヤレスマウスが登場してくるのか楽しみなところである。メーカーには、コードマウスとのシェアを逆転できるような魅力ある新製品を期待したい。(フリージャーナリスト・大林敏郎)