春は出会いの季節。会社員なら、そろそろ人事異動も気になってくる頃だ。新しい部署に異動になれば、新しい名刺が必要となる。名刺印刷ソフトを発売する企業もこの2?4月がかき入れ時とあって、新商品の投入など、準備に余念がない。関係者によれば、「この時期は通常月売り上げの2割、3割増しになる」とのこと。とくに最近は、「50代、60代の購入者が増えている」という。名刺印刷ソフトにシニア層からの熱い視線が注がれはじめ、新たなニーズが生まれつつあるようだ。

 春は出会いの季節。会社員なら、そろそろ人事異動も気になってくる頃だ。新しい部署に異動になれば、新しい名刺が必要となる。名刺印刷ソフトを発売する企業もこの2?4月がかき入れ時とあって、新商品の投入など、準備に余念がない。関係者によれば、「この時期は通常月売り上げの2割、3割増しになる」とのこと。とくに最近は、「50代、60代の購入者が増えている」という。シニア層からの熱い視線が注がれはじめた名刺印刷ソフトに、新たなニーズが生まれつつあるようだ。

 ビジネスに勝つための要素を盛り込んだ名刺ソフト「勝てる名刺」を発売するアジェンダによれば、発売当初は予想通り、会社員や学生・自営業者が飛びついたという。想定どおりのターゲットを射止めたわけだ。

 しかし、04年3月発売からの購入登録ユーザーの累計をみると、30代以下は24%で、50代以上が49%と約半数を占める状況(図)。“シニア層の方が真面目にユーザー登録をする”という傾向を割り引いても、シニア比率が圧倒的に高い。


 リタイア後、会社の肩書きが外れてしまうと、ふと自分が何者なのか、どう他人に名乗ればいいのか、途方に暮れるシニアも多い。その結果、「こうした人たちがもう一度社会に参加するとき、いわば挨拶状代わりに、名刺印刷ソフトを使いこなしている」というのが同社の推測。

 さらに、趣味や地域サークルなどを書き込んで凝った名刺を作成するため、必然的に機能面にもこだわりをみせる。アジェンダでも、「使い方の簡素化と高機能の両立に苦心している」という。名刺と付き合ってきた時間を考えれば、シニアが若者以上にこだわりをみせるのも、当然といえるだろうか。

 それでは、今、市場ではどんな名刺印刷ソフトが売れているのか、「BCNランキング」から05年1月の名刺印刷ソフト販売本数トップ10をまとめてみた(表)。ここでいう「名刺印刷ソフト」は、ラベル印刷に特化し、名刺が印刷できるソフト。CD/DVDラベル印刷に特化した商品や名刺データ管理まで含むソフトと違って、手軽に自分の名刺をデザイン、印刷できるのが特徴だ。


 表をみると、1位はジャストシステムの「ラベルマイティ5」。名刺だけでなく、CD、MD、収納ラベル、瓶ラベルからカレンダーまで、総合的なラベルソフトに仕上がっている。名刺印刷機能だけのソフトと販売本数の単純比較はできないが、2位以下の商品に比べ、ダントツのトップだ。

 「名刺印刷」機能に特化した商品に限ってみれば、2位の「マルチカードクリアエッジタイプ+名刺郎新入門編」、3位「ラベルマイティ わがまま名刺」、4位「勝てる名刺」あたりが人気。「ラベルマイティ」はここでも強いが、「勝てる名刺」も健闘している。

 これら名刺印刷ソフトに注目しているのは、個人だけではない。企業からのニーズも名刺印刷ソフト市場全体を後押ししている。プリンタの進化や、企業のコスト削減による社内作成ニーズがその理由。用紙を供給するメーカーは、大量枚数パック商品を発売するなどして、この需要増に対応しているほか、こだわり派のユーザー向けにはカラー紙や和紙、光沢紙など、豊富なラインアップを揃えている。

 こうした背景と、時間ができて自己表現を求めはじめたシニア層のニーズが相まって、名刺印刷ソフトの“購入者高齢化現象”が起きているようだ。「こんな名刺にしたい」といった“わがまま”、「同じサークルのあいつには負けない」という“自己顕示欲”……メーカーの思惑を超えたところで、名刺ソフトのタイトル名もシニア層に受けているように思える。シニア層をメインターゲットとしたPCソフト市場が形成される日も、近い将来にやってくるのもかもしれない。