年末商戦、DVDでスゴ録とDIGA一騎打ち!後発メーカーが老舗を蹴散らしたヒミツとは?

特集

2004/12/21 01:40



 今年のDVDレコーダー年末商戦は、まさしくソニー「スゴ録」とパナソニック「DIGAシリーズ」の一騎打ちの様相を呈している。全国の大手家電量販店17社1500店舗のPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、メーカーシェアはソニーが28.7%、松下が21.9%、やや遅れて東芝シャープが両社に続くという展開になっている(図)


 機種別ベスト10(表)では、スゴ録は1、3、6位、DIGAは2、4、9位を獲得。「スゴ録」対「DIGA」が師走の店頭で激しく火花を散らしている。


 両社ともにDVDレコーダーメーカーとしては後発ながら、東芝やパイオニアといった老舗メーカーを追い抜き、確固たる地位を築き上げたヒミツは何か。それは、極論すれば「使いやすさとわかりやすさ」、そして「機能的なお得感」につきる。

 スゴ録シリーズの人気の秘密は、「おまかせ・まる録」機能だ。これは、入力したキーワードに合致する番組を、EPG番組表から拾い上げて自動的に録画してくれる一種のオートパイロット機能である。時間指定ではなくキーワードで指定するので、番組の放送時間帯が移動したときでも自動で追跡し、予約録画作業が行えるわけだ。

 同じ価格帯の他社製品と比べると、ハードウェアスペック面が充実していることも特筆すべきポイント。例えば250GBのHDDを搭載するエントリーモデルで、ゴーストリデューサーやBSアナログチューナーを搭載するものはスゴ録だけ。

 一方DIGAシリーズでは、初心者にわかりにくい機能をばっさりと切り落とす代わりに、高速なレスポンスと直感的にわかりやすいUIを採用しているのが特徴だ。動くサムネイルで内容を確認できるライブラリ管理機能、DVDへのダビングをリモコン一つで行える機能、VIERAと組み合わせればデジタル放送も簡単に録画できるなど、年配者も含めたカジュアルユーザーに向けた心配りやチューニングが秀逸だ。


 機能面では、「330H」、「220H」といったエントリーモデルに、2番組同時録画機能を組み込んだことが売り上げに大きく貢献しているように思える。今回のデータの中では、やはり2番組同時録画機能を搭載した東芝「RD-XS36」、「RD-X5」が、ランキングに食い込んできている。「330H」、「220H」と合わせれば、ランキング中4機種が、すでに2番組同時録画対応機種となっているわけだ。年末年始の特別番組ラッシュを迎えるだけに、この機能に対するユーザーの注目度は、いっそう高くなっていると見るべきだろう。

 デジタル放送(CPRM)への対応、DVDへの高速ダビング、HDD容量による機能の差別化などが一段落したDVDレコーダーだが、「使いやすさ」や「わかりやすさ」へのチャレンジはまだ始まったばかり。そんな状況のなか、一歩先に踏み出したのがソニーとパナソニックであり、そのチャレンジは、市場シェアにクッキリと投影されている。