エプソンvsキヤノン激突!単体機ではキヤノンがシェア69%に

特集

2004/12/20 22:57



 年末商戦のプリンタ市場で、エプソンとキヤノンが大激戦を演じている。インクジェットプリンタでは、キヤノンの独走体制が鮮明になってきた。複合プリンタでエプソンがトップ3位を独占する一方で、キヤノンはプリンタ単体機にボックス型の新デザインと、2pl(ピコリットル)のスーパーフォトノズルによる高画質プリンタを投入、ついに69%のシェアを獲得した。

 BCNが大手量販店17社1482店舗のPOSデータを集計している「BCNランキング」のメーカーシェア(図)では、キヤノンが68.9%、エプソンが28.9%と、キヤノンの人気が際立っている。

 

 従来インクジェットプリンタ市場では、1万円を切るローエンド/ハイコストパフォーマンスモデルの売れ行きが順調だったが、今年の年末商戦では、2?3万円台を中心とするミドルレンジからハイスペックモデルが好調だ。これらハイスペックモデルのインクジェットプリンタが搭載しているインクは5?8色で、写真画質を追求したモデルが売れ筋ベスト10に並んでいる(表)。

 

 好調な売れ行きを示すキヤノンのインクジェットプリンタ「PIXUS」シリーズは、デザイン性の高いコンパクトな直方体状のきょう体「SUPER PHOTO BOX」を採用。背面がフラットなため、設置場所も選ばない。インテリアとの親和性も高く、リビングへも違和感なく設置できる。

 

 また、オートシートフィーダと給紙カセットの2Way給紙により、大量の普通紙やハガキをセットし、用途に応じて用紙の使い分けができる。さらに、普通紙やハガキ、フォトペーパーに対応した自動両面機能によって、簡単に手間なく写真アルバムの作成やハガキの宛名と裏面印刷が可能となった。

 BCNランキングによると、「PIXUS iP7100」や「PIXUS iP8600」といったハイエンド機種が4?5位と好調で、安定したシェアを獲得している。それぞれ全弾2pl(ピコリットル)の超極小インク滴を一定量で、正確な位置に着弾させるとともに、最高4800×2400dpiの解像度を実現。「PIXUS iP7100」はCMYKに「フォトマゼンダ」、「フォトシアン」を加えた6色インク、「PIXUS iP8600」はCMYKに「フォトマゼンダ」、「フォトシアン」、「レッドインク」、「グリーンインク」の8色インクを採用し、「写真画質」を強くアピールしている。

 一方、エプソンでは、ホワイトデザインのスタイリッシュなカラリオ・プリンタが好評。この製品は、キヤノンと同様にデザイン性に注力しているため、リビングに設置しても違和感を感じない。また、同社の開発技術である「つよインク」により、写真の色あせを防ぎ長期間安定した画質を保持することに成功。さらに、最新の画像処理技術やノイズの低減、被写体に合わせて色調を補正するなど画質へのこだわりを追及している。

 

 しかし、「PIXUS」がベスト10に7機種がランクインしているのに対して、エプソンは3機種と押され気味。シェアを伸ばしたキヤノン製品はすべて「SUPER PHOTO BOX」を採用し、設置性を重視したデザインであることから、設置性の高さもユーザーの人気の大きな要素といえそうだ。

 店頭で人気を集めているインクジェットプリンタをみると、(1)日本の住宅事情にあったサイズであること、(2)リビングに設置しても違和感のないデザインであること、(3)自宅での写真印刷という用途に十分な色再現性を実現する機能を備えていること――という3点を満たした製品であることが分かる。